あらすじ
抗がん剤、病院選び、がんの正体…
妻と父を“がん”で失った医師が分かりやすく伝える、がん治療の基本
不安に襲われたときは何度でも繰り返し、この本を開いてください。たとえがんであっても、治療をしつつ人生を楽しんでいる患者さんやご家族がたくさんいることを忘れずにいてください―――(本書より)
【著者紹介】
谷川啓司 Keishi Tanigawa
ビオセラクリニック(東京女子医科大学病院関連施設)院長、医学博士。1964年生まれ。防衛医科大学校卒業後、東京女子医科大学消化器外科入局、東京女子医科大学消化器外科医療練士修了。専門は消化器外科、腫瘍外科。
米ミシガン大学医学部腫瘍外科において免疫細胞療法、遺伝子治療の研究にsenior research fellowとして従事し、医師・大学院生に免疫療法の研究を指導。東京女子医科大学消化器外科帰局後、外科医としてだけでなく癌免疫細胞療法チームとして癌免疫細胞療法の臨床研究に携わる。東京女子医科大学医学博士号取得後、2001年ビオセラクリニック開設。東京女子医科大学消化器外科講師。
【目次より】
第1章◆がんを知ろう
第2章◆なぜ、がんで死ぬのか?
第3章◆なぜ、がんは治りにくいのか?
第4章◆がんに免疫がうまく働かない理由
第5章◆がん治療の基本
第6章◆がんの三大治療
第7章◆治療で目指すべき目標
第8章◆三大治療以外のがん治療
第9章◆免疫力を上げる
第10章◆がん治療と心
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Posted by ブクログ
本書は、癌という病がもたらす不安や疑問に寄り添いながら、その本質を医学的にわかりやすく解き明かします。癌細胞の特性、発症から死に至る過程、免疫が十分に機能しない理由などを丁寧に紐解き、読者が病への理解を深められるよう導きます。さらに、手術・放射線・抗がん剤といった標準治療に加え、著者が専門とする免疫療法についても、その目的と役割を明確に解説。
そして、本書の真価は、単なる医学的知識の提供にとどまらず、癌の告知を受けたときに持つべき心構えを、温かな言葉で静かに語りかけてくれる点にあります。現実を直視しつつも、穏やかな筆致で心に寄り添い、不安に揺れる読者の心を優しく包み込む一冊です。
Posted by ブクログ
癌についてあまり知らない20代ですが
誰しも癌になるリスクは高いと思い手に取りました。
実際、癌以外の病気に対する治療法が確立してきたことから癌は死者数がどうしても高くでてしまうことがわかりました。
癌になる仕組みや癌になってからの進行から気持ちの持ち方等 精神的な面まで書いてあり、癌に限らず病気になった時にどう生きるか、とても参考になるため、ぜひ一度は読んでおきたい本としておすすめです。
専門家だからこそ説得のある本だと思います。
Posted by ブクログ
知ることが怖くて、恐る恐る読みました。
でも読み終わると、読んでよかったと思うことができました。
「がん」という言葉はそれだけで恐怖を煽るものでしたが、この本はそんな読者への配慮もありつつ、実態をわかりやすく説明してくれ、読み終わったあとに立ち向かう勇気をくれました。
Posted by ブクログ
がんの特徴や死に至るメカニズム、そして治療方法やマインドセットについてとてもわかりやすく説明されている一冊でした。
序盤ではがんの特徴や死に至るまでのメカニズムが一般の方にもわかりやすい言葉で説明されています。
自分や家族が『がん』になったと聞かされるとまさに絶望の淵に立たされたかのようなイメージが持たれがちですが、がんが発生した部位やステージによってその後の進行や治療方法は様々です。
がんに対するイメージを正しく持って、『知らないことへの恐怖』を払拭するだけでも、がん治療に対する心持ちが大きく変わってくると思います。
中盤では現在の医療のベースとなる三大療法や、標準治療にはなっていないものの一つの選択肢として考えられる代替療法について、免疫機構と絡めながら説明してくれています。
これからは自分で自分の治療を選択していく時代に入っていく中で、このような知識を持っておくことはとても重要だと思います。
最後には『心』について書かれています。ポジティブであることがどのように病気に対して作用するのかを指示する研究結果や根拠はなかなかありませんが、とても重要なことだと思います。
『がん』というものを幅広く整理するのにとても役立つ一冊でした。
Posted by ブクログ
家族ががんと診断され、手に取った本。がん患者本人だけではなく、がん患者の家族にもおすすめできる一冊だと思う。本人でなければ分からない辛さもあるかもしれないが、この本を通じて家族としての病気への向き合い方や心構えを会得することが出来た。
Posted by ブクログ
癌のことが凄く分かりやすく書かれており著者に感謝しています。
今まで癌、病院は治すものと思ってたけど、なるべく苦しまず元気に生きて本来の寿命をまっとうすることが大切なんだと考え方が変わりました。
癌による痛みはほとんどなく治療が痛みや苦痛を伴うということも知りませんでした。
癌とは何なのかをはじめ、治療法、免疫、身体と心の痛みについて理解できました。
医者は聞けば教えてくれるけど、聞かないと教えてくれないと思うので、これを読んでも疑問に思うことを医者に聞いたり認識が合っているかを確かめながら治療法を決めていけるといいなぁと思いました。
Posted by ブクログ
最近身近な人が相次いでがんとなり、タイトルに引かれて手に取った。平易な文でがんについて真摯にわかりやすく説明されている。著者自身ががんの専門医であるだけでなく、身内をがんで亡くしておられる背景もあり、がん患者がどの治療を受けるにせよ納得して治療法を選択できるようにと、「がんってなんなの?」という素朴な疑問から具体的な治療法に至るまで簡潔に、しかし丁寧に綴られている。
読んで良かった!
Posted by ブクログ
がんとはどういう病気かが非常にわかりやすく書かれています。免疫の仕組みもよくわかります。治療の選択肢も三大治療から代替治療まで詳しく解説されています。免疫力を上げることの重要性を説きつつ、怪しい免疫療法にも注意を呼びかけているので、信頼感が持てます。
がんとわかった初期のころに読み、基本的な知識を得て治療に臨むことができました。
Posted by ブクログ
がんとはどういうものなのか、ということがよくわかりました。
特定の治療法に肩入れをしていたり、逆に非難したりということのない、信頼できる内容であると思います。
Posted by ブクログ
最近は、がんは治る病気だとか、怖くないという話を平気でする人が周りにもいるわけですが、蹴とばしてやりたくなりますね。相変わらず、がんは死に至る病。5年生存率を見れば分かるはずなのに…。
以下、本書の覚書。
よほどの早期発見・治療でもなければ、完治は難しい。では、何のために治療をするのか?それは、完治を目的とするのではなく、少しでも本来の寿命に近づけるためと考える。がんの苦しみは「心の辛さ」が大部分。がん治療とともに、いかに心の辛さをやわらげ、QOLを高めるかも大切。
Posted by ブクログ
手術を前に、改めてがんについて知れた。
免疫の仕組みがよくわかった。自然免疫と獲得免疫。樹状細胞が細菌やウイルスの情報を分析して伝達することで、次からは早く倒せるようになる。
衝撃的なのは、がん細胞は免疫から異質と見られにくくしていて、免疫で倒されるよりも増えていくこと。
自分の体の免疫力を上げられるように、まずは心を前向きに過ごすことがこれからも大事だということ。
Posted by ブクログ
非常に分かりやすかったし、語り口からおそらくそんなに主流から逸脱していないだろうという感じ。近藤誠を駆逐することは厳しいだろうけど売れてほしい。