【感想・ネタバレ】観念論の教室のレビュー

あらすじ

私が手に持っている花は存在する。私はそう思っている。だが、その花は、私が見たり触れたりするのとはかかわりなく、存在していると言えるのだろうか――物の、それ自体としての存在を否定し、私たちに知覚される限りにおいてのみ存在すると説く「観念論」。繰り返し提出されるこの考えに、なぜ人間は深くとらわれるのか。本書は、元祖・観念論者ジョージ・バークリの思想を論じ、観念論には「明るい観念論」と「暗い観念論」の二種類が存在すると説く。「存在するのは自分の心だけ」という独我論的発想とは真逆の、もう一つの魅力ある側面をたどる。

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Posted by ブクログ

冨田さんの本、ほんとめちゃ面白い

バークリーの分かり易い解説。
驚くべき観念論の豊かさに驚く。驚きつつ、違和感、疑問を拭えない。
そんで、バークリーへの批判として、そうそう、だよね、そこがずっと気持ち悪かったよ、というところを指摘してくれる。
でも、それでもバークリーの観念論の魅力を話す
が、最後、明るい観念論としてのバークリと、暗い観念論としてデカルトの懐疑の果ての我と観念だけ、という孤独を紹介したのち、どうしてこんなに暗い観念論は魅力的なのか、となる

え!デカルト本だったっけか?と思うのだけども、そうでなく、明るい観念論から暗い観念論に転じてしまわないようにね、暗い観念論は魅力的なのでちょっとしたことで陥るからね、明るい観念論でいられるかは、生き方なのよ、と。

スターウォーズか!
いっそ、フォースを観念と訳しちゃえばいいのでは

ドイツの観念論と比較しつつもあるけども、このあたりは言ってることはわかるけど、ふにおちるには、それぞれをもうちょっと勉強しないとわからんなー

一番感動したのは、88ページあたり
これってつまり、世界が僕にアフォードしてくる、というのは、神が世界としてメッセージを僕に送ってきてる、ということ、と受け取っちゃってもいいのかな
ギブソンがいうには、アフォードは、世界の側にあるものを私が見つけるものとしたけども(確か、、)、それは、ここのバークリーからすれば、神としての世界がこちらにメッセージを送ってて、それを受け取る、という図式にしてよさそう
そうして意味が発生する
あーおもしろい

というので、バークリーの視覚新論に行こう

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2020年02月13日

Posted by ブクログ

ジョージ・バークリの観念論を、「明るい観念論」と評価し、その内容をわかりやすく解説。
わかりやすく解説されてはいるのだが、自分にはバークリの観念論が十分には理解できなかった。人間は観念としてしか世界を理解できないというのはよくわかるのだが、だからといって観念しか存在しないということにはならないのではないか。ちょっと言葉遊びのような議論になっている気がした。バークリの記号的世界観という考え方は興味深かった。

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2017年04月01日

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