【感想・ネタバレ】函館本線へなちょこ旅 : 2 北海道のローカル線に愛をこめてのレビュー

あらすじ

舘浦あざらしが、相棒のぶぶまるとともに、函館本線を札幌から函館までだらだら歩く旅の第二弾がついに登場。今回は、前回の旅の終着点・余市から歩き始めるが、出発の日から思わぬトラブル続きで、相も変わらぬ前途多難のスタート。さらには線路を離れて、ニセコ近辺の温泉にも立ち寄るなど、旅はますます迷走の気配。はたして2人は無事に函館にたどりつけるのか…?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

札幌から函館まで、函館本線の山線を全駅徒歩で踏破する企画の第二弾。
今作は余市からニセコまで。
前巻の札幌から余市までと違って、駅間距離は長いし、山道だし。
相当厳しい旅になるのではと思って読んだけど、彼らはちっとも変っちゃいなかった。

鉄道と温泉とラーメンの味にうるさくて頑固なあざらしさんと、子どものようにわがままで行き当たりばったりなぶぶまる君。
ちょっと読んでいて鬱陶しくなるんだよね、この二人の掛け合いが。

だけど、北海道の鉄道事情はもう本当に末期的で、無人駅を増やし、廃線を増やし、車両が古くなったという理由で人気のSLも寝台列車も廃止して、それを全て北海道新幹線でチャラにしようなんて、あざらしさんじゃなくてもはらわたが煮えくり返るのよ。

小さな出版社のオーナーでありラジオのパーソナリティでもあるあざらしさんは、オブラートにくるまずに実名を挙げてもの申してくれるからありがたい。

トイレがない、自動販売機がない、ベンチがない。
歩いて旅をすると、車で通りすぎるだけでは見えてこない景色が見えてくる。
真似をしたいとは思わないけれど、少し羨ましく思ったことは確かだ。

あとがきに、鶴見俊輔の言葉が書いてあって、それがなかなかいい。
“正義は純一を求めるあまり暴虐に行き着く。戦争をする国はいつも正義を口にする。正義なんてろくなもんじゃない。正義をかざすぐらいなら、わたしは悪人でいい”

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2016年07月11日

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