あらすじ
高校時代、アマチュア無線が唯一の楽しみだった冴えないサラリーマンの大河内寿三郎(おおこうちじゅさぶろう)は、顔も名前も知らないかつての交信仲間の女性を忘れられずにいる。そんなある日、社内の間違い電話から、彼女によく似た声を聞き…。ちょっとワケありな男女の恋を描いた恋愛傑作集。
...続きを読む
西炯子の描く、一筋縄ではいかない男女の恋愛を垣間見てみませんか。
見た目にコンプレックスを持つ新任の中学校教師と、前科を持つラーメン屋のアルバイトを描いた「波の向こうに」、
趣味のアマチュア無線で交流していた女性が忘れられないサラリーマンと、会社のマドンナで白馬の王子様を探す社長秘書を描いた表題作「電波の男よ」、
恋愛を諦めている縫製工場勤務の女性と、陰のあるハイスペックサラリーマンを描いた「海の満ちる音」、
の3本を収録した恋愛短編集です。
それは燃え盛るような恋ではなく、
例えるならば、時に大きく時に小さく寄せては返し、時に凪ぐ、
波のような、ささやかだけれど確かな恋の数々。
器用に生きられない中で、傷つき傷つけながらも誰かと触れあいたいと思ってしまう。
この短編集は、そんな大人たちの恋を描きます。
日々の喧噪から一息ついて、不器用な大人の恋愛に浸ってみてはいかがでしょう。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
毎回だが1コマであ、素敵と思わせる。
今回は給湯室で髪の毛洗って髪から水が滴る一コマ(P110の一番下)
嗚呼、知っている、美しい仕草を知っている。
Posted by ブクログ
西 さんの描く男性は好みのことが多いけど、
ツボですなぁ。
表題作+2編で、いずれも好み。
オタクな男、けして嫌いじゃない。
ずっと手元において置きたい、一冊。
Posted by ブクログ
表題作が面白かった。
令嬢も嫌味がない感じに可愛いくて、
二人がくっついた時は本当に嬉しかった…!!
独特な世界観で電波を表現する西さんは凄い。
Posted by ブクログ
表題作のテーマが「無線」というのがおもしろい。不器用な男女萌え^^
相変わらず設定と展開はぶっとびがちだけど、西さん作品の中では一番人に勧めやすいと思います。短編だし。
かなりのお気に入り作品です。
Posted by ブクログ
大好きな一冊!!現代版メルヘンチックでありながら主人公が冴えなくて、どこか痛快!西先生が現代の大人を主人公にしたラブストーリーを描かれるのは久々で、とても嬉しい。毎度ながら、設定が斬新。
なんとなく気になった
作風が好きな感じがしました。
キャラクターデザインや背景などが好みです。
ショートストーリーのヒューマンドラマですね。
静かな話
絵に惹かれて購入。何作か読んで思うのは、大きく心を揺さぶられることはないが、気持ちが穏やかになるなぁ、と。それが西さんの漫画の醍醐味ではないかと思う。
Posted by ブクログ
「波のむこうに」「電波の男(ひと)よ」「海の満ちる音」の三篇収載。
どこか「世間の普通」になじめない男女が救われる流れは『娚の一生』通じるものがあるかも。
Posted by ブクログ
心の根っこが清らかで純粋なままなんだけど、どっかでいびつにゆがんでしまった人を書くのが上手い漫画家さんなんだなあと思います。
出てくる人物が全員そんな感じだから、物語が進むなかで二人がどうして歪んでしまったのかお互い理解し、和解しあう中で結果、恋愛関係に至ってしまう事に読み手側が説得力を感じるのだと思うのです。
今回の短編は波のむこうに、電波の男よ、海の満ちる音の三つで構成されてました。
せっかくなので、「電波の男よ」に関して感想を書こうと思います。
変態というのは、自分から「私が変態です」とは名乗りません。
名乗らないどころか、自覚さえもしていません。
主人公の大河内は、そういう感じの人間です。
自分が信じた絶対のものを信じぬき、それ以外は正しくないものであると判断し、我が道をグングン突き進むタイプです。
自分が正しくない、要らないと思った者・事には心を晴れ晴れとさせたまま「こいつら、死ね」とナチュラルに思える男です。
そういう人はきっと変態だと思うのです。
狂信的なまでに一つのものに執着し続けられる事、それに迷いもない事。この二つの理由から私は強烈に変態だと思いました。
で、これは感想なので良いと思うんですけど、私は変態が大好きです。というのも、変態の方が純粋な愛を持ってるからじゃないかなと思うからです。
迷いもなくひたすらに愛し続ける事は宗教に似た恐ろしさを感じますが、それこそが大体の乙女の求める愛情なのだと思うのです。
そんな変態の恋愛模様を一番うまく、かわいらしく描いている作品が「電波の男よ」という作品だと思います。
どこまでも純粋に求めるからこそ、ちょっと歪んでしまって、それが何となく人間らしくて可愛らしい作品だと思います。
他の二編も良かったです。
Posted by ブクログ
「おとこ(漢字が出ない)の一生」と「STAY」からハマって集めだした西作品に新しいのが出ていたので購入。
うーもっと読みたい!
「もし自分がものすごい美人だったら」って妄想も叶えてくれたし、ひとつひとつがなんか不思議な物語。
あと、絵が(というよりコマ割りなのか?)がキレイで、どこかに「美しい…!」と思うコマがあるところが好き。
難点をあげるとすれば判型がほぼ正寸でしまいづらいところwww
Posted by ブクログ
ものすごく可愛らしい作品でした!ただずっと一人のマリンを追い続けていて、結ばれて、よかったなぁとただ単純にほっこりしてしまいました。西さんのあとがきの「好きなのか」や「好きなのかもしれない」まで読んでしまいました(笑)
Posted by ブクログ
最後に収録されていたお話はちょっとわかりづらいところがあったけど、表題作と最初に収録されていたお話はすごく好きです。
最初に収録されていたお話は、主人公のアフターが可愛くって。「美人じゃないけど可愛い」っていうのはこういうことだと思いました。
Posted by ブクログ
無線で知り合った初恋の人・声しか知らない「マリンさん」を探すべく、大河内寿三郎の間違った努力が始まる。
西さんの描く男の人って、ヘタレなのに凄く色っぽいです。
初期の作品?
西さんのつっこみや鋭さがいまひとつかなぁ。少し中途半端な短編にも思える。でも、絵は好き。この後に出した長編の方が西さんっぽくていいなと思っている。
Posted by ブクログ
表題作含む三編収録の短編集。どれも甲乙つけがたく、全部好き。登場人物たちみんながコンプレックスや儘ならない事情を抱えているけれど、ちょっとしたきっかけや偶然、人との出会いで、それらを消すことはできなくても前向きになれるのだなぁと思わされる。みんなリアリティーがあって色っぽく、魅力的だった。
Posted by ブクログ
短編集。
表題作がとても好き。
美少女設定の女子がホントにキラキラふわふわでかわいくて
残念な割に色気のあるイケメン男子は、給湯室の背中がヤバイ。
この方の書かれるお話はゆったりしたテンポでの
しっとりとか暗めの内容が多いので、主人公達は多少おバカな方が
読んでる方は救われていいと思うのです。
たまにズドーンとくる短編もあるので、それはちょっと苦手。
あとこの本は表紙がすっげー素敵です。
Posted by ブクログ
冴えないサラリーマンが初恋の人を探すため、イケメンデビューしようとする『電波の人よ』。海の自殺未遂で美女に変身してしまった女教師と後ろ暗い過去を抱える男の『波のむこうに』。理想の相手とお見合いで出会うが、幸せを確信できない2人の『海の満ちる音』の三作を収録。
登場人物の設定、淡々としたネームと似通った作品群の印象。西先生の描く男性はやっぱり草食系の香りがする。。。
Posted by ブクログ
3編収録。
「波のむこうに」
ラストが好き。
「電波の男よ」
地味に積極的な入間野さんとヘタレだけど最後はちゃんと頑張った大河内くん。二人とも好き。
「海の満ちる音」
これは微妙。どっちかっていうとコミカル路線のほうが好きなんです・・。