あらすじ
日本の起源を記す最古の歴史書『古事記』。難しそうに思えるかもしれないが、その内容は冒険と色気にあふれた一大スペクタクルだ。本書は、そんな『古事記』を、この上なく平易で明るい解説とツッコミ満載で紹介する。たとえば、イザナギとイザナミにアマテラス、スサノヲ、ヤマトタケルなど、名前は聞いたことがあるけど「何をしたのか、いまいちピンとこない」神様や人物たちを電子書籍限定でカラー化されたイラスト満載で大紹介。「稲羽のシロウサギ」「海幸彦と山幸彦」など、知っているようで知らないエピソードもばっちり収録! 日本神話を、笑いながら味わおう!
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Posted by ブクログ
確か10年くらい前に、岩波文庫の『古事記』と、角川ソフィア文庫の現代語訳つきの『古事記』をひと通り併読したことがあった。
しかし神々の名前が次から次へと大量に出てくるため、イザナギ、イザナミ、アマテラス、スサノオといった有名な神以外はとうてい覚えていられないし、内容理解もはたしてどこまでできていたか……。
でもそれが、この本で思い出せただけでなく、プラスアルファの知識も得られて整理できた。
しかもおもしろかった。
稗田阿礼と太安万侶のかわいらしい漫画とコラムで背景知識はバッチリだし、場所が地図で示されていてわかりやすいし、アニメっぽいイラストで神々を立体的にイメージしやすいし、『古事記』には載っていない『日本書紀』情報まで補完されてるし。
『古事記』そのものを読んだだけではここまでは知り得ない。
とにかく日本のルーツがたくさんある。
「これはここから来てたのか」と、目からウロコがポロポロ。
映画『もののけ姫』との関連も興味深い。
「神話」から「日本史」へとだんだんシフトしていくのだが、どのあたりが史実なのか、はなはだ疑わしい。
でも、これぞ、歴史のロマン。
「大化の改新」とか「壬申の乱」とか、日本史のはじめの方に出てくるキーワードだけど、『古事記』よりもだいぶ後のことなので、ごく最近起こったことのように錯覚してしまいそう。
数年前にどっかのコンビニでふと目について、おもしろそうだと衝動買いしたこの本、買って良かったし読んで良かった。
『古事記』を読んでみたい人がいたら、まずはこの本をお勧めしたい。
Posted by ブクログ
2019年GW、時代は平成から令和へ。天皇は退位と即位という日本の歴史的イベントの最中、テレビが無く、ネットの回線も低い地方の施設で、ツイッターに流れる情報に、皇居で逮捕者が出ているという… どうやら退位と即位のその切り替わる瞬間にスサノヲが攻めて来るのを警告しに来たとか… 正直、天皇とか日本の神話とかこれまで全く興味が無かったのに、このどうでも良いようなニュースに、三種の神器?とかちょっと興味が出てしまった。
ただ、興味が湧いてもwikiとかを流し読みしても何がよくわからんなぁ〜 と思っていたところに、古事記に記されてるらしいという所まで辿り着き、この本に巡り合う。
古事記って、なんだか読みにくそうという印象だったが、この本は冒頭に漫画を配置して、奈良時代に天武天皇が、稗田阿礼に「帝紀」と「旧辞」を覚えさせ、それを太安万侶が古事記として表したものという導入があって入りやすい。
この本は、原典を現代文にしたわけでは無く、内容をガイドしてくれる構成で、非常に読みやすい。聞いたことがあるヤマタノオロチや因幡の白兎のほか、他国の神話との相似性にも言及があって、古事記にのめり込み過ぎない適度な息抜きがある。
とは言っても古事記の中身はぶっ飛んでいて、イザナキとイザナミの兄妹が国作りをして、子供も作るし、なぜかイザナキから、アマテラス、ツクヨミ、スサノヲが産まれたり…暴れたスサノヲに怒って岩屋に閉じこもったアマテラスを外に誘き出して、鏡見せてその間に岩屋に縄を張って戻れ無くした物が、〆縄として神社に飾られるとか、今まで気にしたこともなかった話が知れてよかった。天皇家の始祖はニニギで、アマテラスから三種の神器として、八尺の勾玉(やさかのまがたま)、八咫の鏡(やたのかがみ)、草薙の剣(くさなぎのつるぎ)を授かったという… ストーリー全体は、その思想において論理的な精査を受けて洗練されているとは思えないめちゃくちゃっぷりを感じるが、古典そのままというのも味があると捉えるべきか。
退位と即位の時にスサノヲが云々を警告しに来て捕まった人の話は何だったのかは、解けていないが、今後のお楽しみにとっておこう。
佐藤優氏が、「古典は内在的論理に、神話は潜在意識に刷り込まれる」と言っていたが、一読しておいて良かった⁈
Posted by ブクログ
古事記と日本書紀の関係性と違いすら知らないまま読み進むと、奇想天外な物語が織り成されている古代の読み物に興味を抱かせる。
略奪愛や近親相姦、残酷な勢力争いが凄い。どこまでが神話て何処からが事実なのかが曖昧なところが天皇家を神格化する技法なのだろうか。神格化するにしても人の常識を逸脱するエピソードが挿入された物語が天皇家を崇拝出来ないことにはなりはしないか、と疑問に感じる。
アマテラス、イザナギイザナミ、ヤマタノオロチ、スサノオ、海彦山彦、稲葉の白ウサギ、三種の神器なども登場する興味深い読み物に興味が湧き、古事記を読み解く同様の本を違う視点からも読みたくなった。
令和即位の儀で三種の神器を王位継承のため用いたとニュースで紹介していたが、ヤマタノオロチの体内から取り出しただの、壇ノ浦の戦いで消失したが浜ヘマに打ち上げられただのという逸品にも興味をそそられる。
Posted by ブクログ
とっつきやすくて面白かった。学生の時に見たかったな〜。こういうのを教材にしたら学校の授業も面白くなるだろうにな・・・。というわけで中二の息子に勧めたら喜んで読んでます。出雲と伊勢行くのが楽しみだな〜。
Posted by ブクログ
古事記に関する書籍を読むのは初めて。
上代文学は専門外でやたら難しい印象を持っていたので、古事記を読むならめちゃんこ簡単なやつがいいと思っていたところ、偶然コンビニで面白そうなこの本を発見。
とてもわかりやすく、読みやすかったです。
イザナキとイザナミのお話やアマテラスのお話、因幡の白兎のお話など知ってる話についても、より理解を深められました。
筆者の書き方もユーモアたっぷりでよかったです。登場人物のセリフも意訳して書いてくれてわかりやすい。
内容や成立についてなど手っ取り早く古事記の概説について知りたい場合には打ってつけの本だと思いました!
しかしまあ日本の神様の名前の覚えにくいこと!一気に読まないと、この人(神)は誰だったっけな??ってなる。
これでも必要最低限の数に抑えられているのだろうと思うけど登場人物多すぎだし名前は呪文だし、原典で読もうと思えないです。
大学で神話の授業(古事記を始め、世界各地の神話)を聞いていたことがあって、いろんな名前やエピソードにほんの少しだけ馴染みがあったからこの本で読めたものの、全くの初心者だったらどうなのかしらとは思う。
Posted by ブクログ
古事記の概要を理解するには最適。
イラストがあり、読みやすい。
ファンタジーのような訳の分からない部分も「古事記とはそう言うものなのだ」と理解しながら読めた。
※電車の中などで読むにはイラストが少し恥ずかしい
Posted by ブクログ
古事記を今まで読んだことない方でも、
ストーリーの大枠をつかめる一冊。
筆者のところどころに入る突っ込みにニヤリ。
この本を読み終わってから、全国にある神社に祭られている神様に対して興味を持つようになりました!
しかし登場人物が多く、関係図をみてもなかなか難しいですねえ。。。挿絵をしてくれてるのですが、どれも顔がおなじに見えてしまうのでもう少し顔を変えて欲しいような。。。笑
Posted by ブクログ
とっつきにくい古事記がものすごく分かりやすく解説されている。神話時代の話はところどころ聞くので知っていたが、天皇時代の話もきちんと書かれていたので良かった。
Posted by ブクログ
主要人物や重要ワードが太字で書かれているおかげで、わかりやすく読めた。
ところで、イザナミがやたらムチムチに描かれていたのが気にかかったが、ボイン=母性を表わしたかったのだろうか……と、うがった見方をしてみる。