あらすじ
「ああ、あのマンションね。──赤い服着た女の子の幽霊、出るんでしょ?」 ホラー小説レーベルの編集者・西任結が子供のために引っ越したマンションでは、子供たちが奇怪な事故に巻き込まれ、二週連続で亡くなった。自分の子が巻き込まれるのでは……と徐々に高まっていく住人たちの不安。そんな中、霊能者にお祓いを依頼するかどうかで住人たちの意見は割れていく。だが事態はさらに悪化し、そしてついに──。 夜中に子供がドアをノックしても決して出てはいけない。マンションでの奇妙な掲示や赤い着物の流し雛の慣習など、謎はさらに深まっていく……。
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Posted by ブクログ
3巻ある内の中編。夢人さん要素はまだまさ薄いです。
子供であっても容赦なく被害者にするあたり、さすが甲田先生だなぁ…。
やっと夢人さんが絡んでくる!というところで下巻に続きます。
Posted by ブクログ
大好きな甲田学人さんの、ノロワレ (MW文庫) 中編です。
電撃文庫での「ノロワレ」シリーズは少年少女が主人公(語り部)役となっていることが多いですが、この「幽霊マンション」では母親の女性を中心に物語が描かれています。
地域社会のしがらみや母親ならではの悩みなどの描写に共感できるかといった点で、電撃文庫よりも対象年齢高めといった印象です。
また、「怖い」描写も、同著者のMissingや断章のグリムなどよりも、死因となる表現などがシーンの暗転によってぼかされることなく、直接的に記されることで現実味が増していると感じます。
甲田学人さんの作品全てに共通して、改行、改ページ、空白行のテンポが素晴らしく、静謐な世界に引き込ませてくれます。
同著者の本では、いわゆるオカルト知識の解説シーンがとても大好きなので、今回も夢人によるリーグェイ、縄目筋などの語りのシーンがあり満足しました。
完結巻ではよりふんだんに解説があれば嬉しいなぁと期待しています。