あらすじ
わたしはアヤンナ。醜い娘。 「おまえのような娘を妻にする男はいないよ。年頃になったら、市場で夫を買ってこなきゃなるまいね」 亡き祖母はわたしに向かってよくこういったものだ。 だからいまでもわたしは市場が大嫌い。家畜を買うように夫を買わなければ、だれも愛してくれないほど醜いといわれたことを思い出すから。けれど、魔女のわたしが見つけた美しいひとは、奴隷市場で出会った“彼”だった――神の呪い子として忌み嫌われて、誇り高くも孤独に生きる醜い魔女の娘と、美しい奴隷の王子。瓦解する帝国の辺境で二人は数多(あまた)の物語を紡ぐ。
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Posted by ブクログ
インカ帝国風ファンタジー。
顔に火傷のある魔女と、奴隷として売られた美しい男(王子)の話。
全体的に物悲しい雰囲気が漂うが、二人が寄り添う感じはよい。
Posted by ブクログ
金で夫を買わなければ、誰も愛してくれないほど醜いといわれた神の呪い子・アヤンナ。けれど、アヤンナが見つけた美しいひとは、奴隷市場で出会った“彼”だった。二人は物語を紡ぎながら細々と生活をし始める。
美しくもない、都合よくもない世界のファンタジー。
高地でのアヤンナの生活は素朴で過酷ですが、その中でのはっとするような風景と、リリエンの存在が彼女の中で増していく過程がなんともよかったです。
毎夜物語を紡ぐというのも素敵で、童話みたいでした。
終わり方は切なかったですが、物語の雰囲気を壊さず、最後まで透明感のある物語でした。