【感想・ネタバレ】あらすじとイラストでわかる密教のレビュー

あらすじ

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怪しげな雰囲気を持ち、様々な仏がいて、修行が厳しい……。そんな一面的なイメージで語られがちな密教は、実は日本仏教の根源に深く関わっていた──。密教の成り立ちや他の宗派との関係などの基本から、「曼陀羅」「真言」といった用語の意味、日本に密教を伝えた空海の生涯、特徴ゆたかな仏たち、そして密教最大の目的「生きながら仏になる」とはどういうことなのかまで、密教が持つ独特の世界観が、豊富なイラストとわかりやすい文章で楽しめる。

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Posted by ブクログ

「密教とは何か?仏教とどのように異なるのか?」という疑問を抱えながら本書を読み始めた。密教と顕教のどちらが正しいのか、またどちらを信じるべきなのかについては、正直なところ全く分からず、そんなことは重要ではないのかもしれない。ただ、密教が当時の主流であった顕教と比べて、いかに先鋭的で画期的であったかは理解できた。天才・空海がその命を賭けて現世に伝えた密教には、一定の真理が含まれていると感じた。

【仏教の考え】
- 人の生死は悩み、迷い、苦しみに満ちている。
- 人間は何度も、動物を含む生物に転生する。この生まれ、死に、転生する一連の流れを輪廻と呼ぶ。
- つまり、永遠に続く輪廻の中で、人は永遠に苦しむことになる。
- 輪廻の苦しみから抜け出すためには(=解脱)、仏教の修行が必要である。

【密教の特徴】
- 密教は「秘密の教え」である。一般的な教え(経典の研究)とは異なり、宇宙の根源である「大日如来」から真理を直接体得しようとする点が最大の特徴である。「考えるな、感じろ」といったアプローチと言えるだろう。
- 修行方法は「三密修行」である。コロナ時代には絶対にアウトな内容だが(笑)、身体、口、心の3つを組み合わせた修行である。
- 身体:印を結ぶ。例えば、大日如来との合一を表す合掌である。
- 口:真言(仏の言葉)を繰り返し述べることである。
- 心:心の中で仏を思い浮かべることを指す。身体を使った動的な修行を通じて、静的な瞑想をパワーアップさせるという点が特徴である。
- 現世に生きながら、没我の状態を目指すことで即身成仏を実現できる点も重要である。顕教では、長い時間をかけて修行し、成仏することが求められる。
- 仰ぐ仏が異なる点もある。密教では大日如来、顕教では釈尊が中心である。大日如来は法身そのものを人格化した存在であり、キリスト教で言う「神」に相当する。一方、釈尊は歴史上の人物としてこの世に姿を現した存在であり、キリスト教で言う「イエス・キリスト」に当たる。

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2025年01月26日

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