【感想・ネタバレ】日本人のくらしと文化 炉辺夜話のレビュー

あらすじ

旅する民俗学者が語り遺した初めての講演集。失われた日本人の懐かしい生活と知恵を求めて。「生活の伝統」「民族と宗教」「離島の生活と文化」ほか計六篇。

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Posted by ブクログ

著者の良い所は、生活の底辺にある(根源的な)必要から成り立つ文化を追い求めているということであって、それは現代の画一化された社会通念とは異なるものだ。

言い換えれば著作当時、田舎の人は、都会に人材を供給しながら羨望するという経済成長期にあって、著者はしっかりと本来の道、或いはあるべき全体の行く末を見つめているということだ。それは、中央集権的な・・・或いは都市経済中心ではない。

本書では、中央官庁主導の離島振興の中で、著者が奮闘する様が記録してある。
仮に現代であれば「地域おこし協力隊」だろうが、かつての名残が濃厚な地域文化を多数フィールドワークを通じて考察した著者とは、時代も含めて、いろんな意味で視点が大きく違っていると思われる。

私は土台、くらしと生産性を並列に置くこと自体が、おかしな話だと感じている。
それでも「地域振興と暮らし」の話題は、今でも続いているのだ。

簡単に需給バランスで言えば、消費を減らすことだ。
そして本来それは、GDPが増えることと無縁の話だ。

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2016年08月28日

Posted by ブクログ

宮本が各地で行った講演録のオムニバス。話の展開がスピーディーで空間的時間的にもぽんぽん跳ぶので、読んでいても飽きない。
京都は中世以降、大阪よりも若狭北陸との縁が深かったというのは実感としてもわかるような気がする。巨椋池、湿地帯のため狭隘な摂津街道で隔たった大阪よりも若狭小浜のほうが近しい。
また、東京と大阪の郊外の町の成り立ちが違うというのは初めて知った。大阪にはタコの足がない。それは江戸は村の延長が街道沿いに伸びているのだが、大阪は町の中の町である、と。

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2018年10月14日

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