あらすじ
旅する民俗学者が語り遺した初めての講演集。失われた日本人の懐かしい生活と知恵を求めて。「生活の伝統」「民族と宗教」「離島の生活と文化」ほか計六篇。
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Posted by ブクログ
著者の良い所は、生活の底辺にある(根源的な)必要から成り立つ文化を追い求めているということであって、それは現代の画一化された社会通念とは異なるものだ。
言い換えれば著作当時、田舎の人は、都会に人材を供給しながら羨望するという経済成長期にあって、著者はしっかりと本来の道、或いはあるべき全体の行く末を見つめているということだ。それは、中央集権的な・・・或いは都市経済中心ではない。
本書では、中央官庁主導の離島振興の中で、著者が奮闘する様が記録してある。
仮に現代であれば「地域おこし協力隊」だろうが、かつての名残が濃厚な地域文化を多数フィールドワークを通じて考察した著者とは、時代も含めて、いろんな意味で視点が大きく違っていると思われる。
私は土台、くらしと生産性を並列に置くこと自体が、おかしな話だと感じている。
それでも「地域振興と暮らし」の話題は、今でも続いているのだ。
簡単に需給バランスで言えば、消費を減らすことだ。
そして本来それは、GDPが増えることと無縁の話だ。