【感想・ネタバレ】源氏 物の怪語りのレビュー

あらすじ

千年の時を経て―― なお歴史にその名を残す希代の文人、紫式部。 中宮彰子に仕えつつ、『源氏物語』 を書き綴る彼女の傍らには、とうの昔に亡くなったはずの“姉”がいた。 愛娘の賢子にとり憑いたその姉に導かれ、紫式部が出会うのは、四人の歌人と四季を巡る四つの物語。 伊勢大輔、和泉式部、中宮彰子、赤染衛門 ―― 当代の歌詠み達の前に現れる物の怪は、時に恐ろしく、時に儚く……けれど人の心を映し、朧々としてそこに在る。

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Posted by ブクログ

源氏物語を書いた藤式部が主人公。藤式部とその姉が様々な御所内で起こる怪異を解決する。と書くと壮大なファンタジー小説なようだがそうではない。式部を取り巻く後輩、同輩、先輩を助ける話。全体的に長閑、風雅さが漂っていていい雰囲気の小説。

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2012年08月10日

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タイトルのイメージとは違って
はんなりとした空気感。
それでありながら、平安ものの骨子がしっかり感じられて
とてもおもしろかったです。
もう一度源氏物語を読みなおしたくなりました。

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2012年03月25日

Posted by ブクログ

陰陽師と物の怪がらみの「源氏物語」というか、紫式部もの。
でも、これは、楽しかっです。

で、この時代のお話らしく、物語の要所要所に、ちゃんと和歌が入ってくる。
すごいうまいつくりです。

同じテーマの「源氏物語」よりも、こっちの方が好みですねぇ。

まあ、口絵の紫式部は、かわいいけど、ちょっと若すぎる感じがしまけどね。
一児の母には見えない。

あと、この人の話を読んでいて、安倍吉平は、あやかしに甘いとか書いてあるのを読むと、思わずニヤニヤしてきますね。
あぁ、同じ世界にいるんだなぁ、彼らもとものすごくさりげなく感じられるのがいいです。

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2014年01月07日

Posted by ブクログ

渡瀬氏の作品はどれも好きだが、やっぱり平安時代が舞台のものが最高! この物語に関しては続きはないそうだが、また、別の人物を主人公に書いていただきたい。文章にストーリーに設定に、夢中になりました!

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2012年07月15日

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「陰陽ノ京」から連なるお話ですが、時代が少しずれていて、主人公は紫式部(作中では藤式部)です。阿倍吉平が出てきますが、名前だけです。
陰陽師が活躍する話ではありませんので、怪を扱った話としてはとてもライトです。
紫式部が主人公ですが、「源氏物語」を知っている必要はほぼありません。登場人物の名前がちゃんと読めないあたりに、自分の学の無さを痛感しましたが。。。

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2012年04月07日

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他の作品とは一風変わったしんみりした作品。作者の時代観がハッキリ出ている作品。紫式部好きにはたまりません。

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2012年03月05日

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平安の時代、紫式部とその周辺の人々の心模様を、歌とあやかしに映して、織りなされる物語。
タイトルと同作者の「陰陽ノ京」シリーズのイメージのせいで、動きがある怖い話なのかと思いきや、意外にしっとりと静かな内容と文で、「妖怪=退治」のような図式が出来上がっていた脳内に良い刺激になりました。
紫式部を巻き込んで四季ごとに起きる事件は、人の世の儚さや憂い、生きていることの意味…みたいなことを、大それたことを言っているわけじゃないのに感じさせずにはいられなかったです。
最初の「春」の物語の主役・伊勢大輔が健気でかわいかったです。
「陰陽ノ京」の人々も名前だけだけど出ていて、ファンとしては、こっそりにやついてしまいました。

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2012年02月21日

Posted by ブクログ

中宮彰子に仕える伊勢大輔、赤染衛門、和泉式部たちが、物の怪がらみの不思議な出来事について同僚の紫式部を頼り…。

当代の歌人たちの前に現れる物の怪を、紫式部に寄り添う死んだ姉の導きで、読み解いていく紫式部。そこで知るのは、ヒトの抑圧した想いが、物の怪となって障るという、時に恐ろしく、時に愛しく儚い4つの物語で…。

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2012年02月05日

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渡瀬さんには『空鐘』で惚れたので、異世界ファンタジックな世界から『平安ノ京』を手に取った時は違和感がありました(もちろん平安から読まれている方は、逆の違和感を覚えたと思いますが)。ただこの平安ものが空鐘ぐらいおもしろくて、渡瀬さんの書く陰陽の世界にずいずい引きずり込まれてしまいました。そんな平安の外伝が刊行されてしばらく、単発でぽんと出されたのは、紫式部を主役とする物語。またしても時は平安ながら、京とはまた時代が少しずれています。
タイトル通り物の怪、あやかしの話でまた男性陣の陰陽師が跋扈しそうではありますが、今回はむしろ逆、女房たちを主軸に陰陽師は影の影。この時代では政界に首を突っ込めない女性たちの、女性らしい悩みを女性が解決します。あれこれ口を出せないながらに、女性が果たす政治的役割の比重は半端ないものだと感じました。
少し最後はあっさりし過ぎた感がありますが、単発らしい、後を引きずらない読後感がありました。

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2012年02月03日

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ネタバレ

源氏物語の作者紫式部(藤式部)とその娘に憑く姉。
俳句、和歌。
人の心ほど危ういものはない。
特に好きなのは「二、夏夜の逢瀬」和泉式部の夢に現れる男の怪異、安倍時親。

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2015年12月26日

Posted by ブクログ

娘にとり憑いた姉の霊に導かれながら、紫式部が怪異を解いていくお話。四つの季節を舞台に、四人の歌人と紫式部が織りなす四編の短編集。
心に押し込めておけない気持ちが、怪異を呼ぶこともある。四編ともにそんな雰囲気のストーリーで、全体的にもの悲しく美しかった。有名な和歌が散りばめられているのもいい雰囲気出してました。登場人物達の描写はメディアワークスらしくとてもライトで、読者の世代によっては感情移入しやすくて良いのではないかと思います。私は好きでした!

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2012年07月10日

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