【感想・ネタバレ】栗林かなえの犯罪のレビュー

あらすじ

古くて人気のない水族館で出会った言葉をしゃべらない謎の美少女・かなえに、エリート会社員の樋口は心ひかれた。筆談でかわす会話は新鮮で刺激的だった。やがて彼女のすべてを知りたいと望むようになるが…。恋愛もようのおりなす陰影と光彩をあざやかに描き出した、『ジュリエットの卵』の吉野朔実・珠玉作品集、第2弾。表題作の他、「誰もいない野原で」、「ピンホール・ケイブ-天然の天窓-」、「プライベート・ウィルス」の3編を同時収録。

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Posted by ブクログ

吉野朔美の近年の短編集。
表題作は「誰にもなりたくない」「誰でもなく存在したい」という、自己に纏わる全てを切り捨てながら尚且つ一個の存在としてありたいという希求によって女装をし、自分の存在を殺しながら他者に向かってはどうしようもなくインパクトを与えずにいられない、という(まあ彼は美少年なのだ)状態になった少年の話。
己を引き受けず他者に接するということはどういうことか、ということに一つの答えが出ている。
誰でもない君は美しかったよ、と。

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2009年10月04日

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