あらすじ
フラットな世界で伸ばすことのできる最初の、そして最も重要な能力は「学ぶ方法を学ぶ」という能力だ。
――トーマス・フリードマン『フラット化する世界』(日本経済新聞出版社)より
本書は次のような方々にお薦めします。
・新聞やビジネス誌を熱心に読み、勉強会にも参加しているがビジネススキルが身につかないビジネスパーソン
・自分の「教える力」を鍛えたのに、部下が育たないと頭を抱える部門リーダー
・合格を目指して勉強を頑張っているのに、模擬試験で結果を出せない受験生
・いくら教えてもなかなか子どもの成績が伸びないことに悩む、お受験ママ
・ゴルフ雑誌を読みレッスンを受けているにもかかわらず、一向にスコアが良くならないゴルファー
問題は「教え方」ではなく、「教わり方」にあった!
教わり上手はトクをする。今こそ、学ぶ方法を学べ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
書いてあることは基本的な事なので、元々ちゃんと学習習慣ができている人にとっては学びは少ないかもしれない。
ただ、若い人や新卒で就職する人、頑張り方が分からない人は読んで損はない。
個人的には、今までの経験で培ってきたコツを言語化してもらって腑に落ちた点が多く、若い頃にこの本を読んでおけば…と思った。
Posted by ブクログ
教わる側の視点。
これ新鮮です。教わることが上手い人は自然と自分の判断軸ややり方を工夫してますが、迷い混んでる人には最適な一冊。質を向上させるにも、圧倒的な量をこなす必要があり、そこから自分の判断軸を培っていくというのは正しいと思う
Posted by ブクログ
すべての「学び」の前に鍛えるべきは、「教わる力」である。2015/7/30 著:牧田幸裕
今の状況として、「教える力」は磨かれてきて、ずいぶん向上した。それに対し、「教わる力」は、相対的に蔑ろにされてきた。だから、それぞれの「力」が不均衝な状態にある。その結果としてコミュニケーションの質が進化せず、なかなか成果を出せない状態にある。
だとしたら、「教わる力」を鍛えて向上させれば、コミュニケーションの質も進化し。ターボエンジンに火がつき、一気に成果を出せるようになるはずである。
本書の構成は以下の6章から成る。
①教わる力が足りない人は、残念な人ではない。せっかくの力を活かしきれないもったいない人である。
②教わる力を鍛えると、もったいない人から成果と結果を出せる人になる
③教わる力とは、自分の判断軸をつくることであり、取捨選択をできるようになることである
④自分の判断軸を鍛えるために、信じる道を探し出す
⑤自分の判断軸を完成させるために、信じる道を貫き通す
⑥自分の判断軸を自分の信じる道にする。そうすれば、教わる力が完成する
教わる力が足りないと自覚・認識するには謙虚な気持ちが前提となる。教えてもらうのが当たり前と思わず教えていただくことに対する有難いという気持ちの積み重ねが精神論になるかもしれないが、教わる力であるとも思う。
教わった先に何があるのか。それによって自分はどう成長できるのかどう成長したいのかを意識することによって教わり、身につく量もスピードも大きく変わる。
もちろん自分もまだまだ教わる力という面では自覚も謙虚な気持ちにかかる課題もある。本書の本質を十分に意識しながら教わる力を高め教わり続けていきたい。
Posted by ブクログ
これ学生時代に教えてほしかった笑
いや、今からでももちろん取り入れますけれども。
すごく心当たりあるし、私が力をつけられたと自覚しているものには、無意識のうちに実践できていたなと思う。とにかく日々反復していたし、やっているうちに自分で判断できるようになってくる。ただそれを一部でしかできていなかった。
私に1番必要なのは捨てる勇気。
Posted by ブクログ
★★★★
「教わる力」という言葉にビビッときて、本を手にとり、まえがきを読んで購入を決めました。
この言葉に反応する人は意外と多いのではないかと思います。
それは、自分の真意が通じない、コミニケーションが取りづらい等、あたりまえの共通前提が年々崩れてきているのを感じている人が多い、 そして、それは情報の取り方や、価値観の多様化といった諸々の社会の変化の中で、埋もれてしまっていたり、教える力量の無い自分を責めてしまったりすることにむけられてしまったりしている。だから、表面に出てこないのであって、本質的な問題は、自分自身も含めて、ここに原因があることは薄々感じているからなのではないか。
かつて、『教養主義論争』が盛んだった時期もあったが、その後1970年代から、その論争を目にしなくなると、日本の中での教養レベルは著しい衰退を招いてきた。
教養と人格というものの関係性や、その時代時代の社会が求める価値の方向性が、そのどちらに軸足をおくのかということで、揺れるものなのかもしれませんが、現在の日本の知識の格差は深刻なまでに拡大し、全体的に低下しています。
本書で『自分の軸』という言葉で言われていることの背景にある「自分の存在意義」→「自分の理想」→「自分の信念」→「人生をとおしての目標」という、時間軸を一気通貫するものが備わってくるまでは、「憧れ」でもいい、それを仮の軸にして、社会の中で学んでいって欲しい。
教養が必ずしも、幸福に直結するものでもないが、社会という全体的な枠組みを考えたときには、この教養というものの厚みを失ったが社会は、やはり荒涼したものになってしまうことがリアルに想像できる。
本書を手にとるような方の多くは、社会のなかでの活躍を目指している方が多いことと思うが、この本を読み終えたら、『自分の軸』というイメージを、しっかりもって、まだ空っぽの『自分の軸』かもしれないそれを、どっしりと重みのあるものに仕上げることから始めていって欲しい。
2015/10/18
『すべての「学び」の前にきたえるべきは、「教わる力」である。』牧田幸裕
*自分が優秀であるためにはどうすればよいかはよくわかるのに、他人である部下をどう育てればよいのかわからない。
☆フラット化する世界で伸ばすことができる最初のそして最も重要な能力は「学ぶ方法を学ぶ」能力だ
①現在地の確認
②目的地の設定
「そもそも何が自分に求められているのか」と、市場ニーズ、上司ニーズから考える視点が必要。
③ルート候補の設定
自分の判断軸がないので他人の判断軸に翻弄される
パラダイムシフト その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが、革命的に、もしくは劇的に変化することだ。
*失敗の経験が蓄積されていないがゆえに、現在地を見誤る。「できない自分」「負けている自分」という現在地が信じられない。
*理論として原理原則を学び、そこからなぜ個別事例がなぜ起きるのかを学ぶ。
まずはその「パラダイム=型」に馴染み、おぼえることから始めなければ、その新たな環境で活躍することは難しい。
①クリティカシンキング 問題を構造化し、そのなかで重要な要素を選び出すこと。限られた時間と自分の能力とを勘案したら、やるべきことを選び出さなければならない。やるべきことは、今の自分にとって重要なこと
経営戦略の定義は「捨てること、やらないことを決めること」である。
サンクスコスト 事業や行為にとって投資した労力・資金のうち、事業や行為を撤退・縮小・中止しても戻ってこない投下労力・資金のこと。埋没費用。
④ルート候補の選択
⑤ルートの決定
それまで行ってきた勉強の蓄積がそのまま移行されるのではなく、枠組みがゼロリセットされ、内容めゼロリセットされる部分がある
「わかる」と「できる」の違いは、観客とプレイヤーの違いと同じ
頭でわかったことが体に馴染み、使いこなせるようになるのは、STE
の「できる」段階。
既知の問題だけでなく、未知の問題にも「学んだこと」を使える状態。
自分の確認固たる判断軸がなければ、単なるサンプルが増えるだけ。自分の確固たる判断軸があって初めて、視点の比較対象との距離がわかり、何がクリティカルな視点なのかがわかるようになる。
読書会参加の基礎条件
①自分なりの判断軸ができてから、読書会に参加する
②自分が講義をする読書会に参加するようにする
「教える」ことは「教わる力」を鍛える最善の機会である。
成果を出す経営者はサンクスコストを払うのが得意。
「教わる力」を鍛えた人にとって、読書の目的は読書ではない。自分の見解判断軸を作ることてある。
「教わる力」を鍛えると、「応える」ことよりも「何に応えなければならないのかを把握する」ことのほうが重要だということがわかるようになる。
「教わる力」を鍛えると、自分のアウトプット能力を披露することに喜びを感じなくなる。コミュニケーションの相手が求めていることと、自分のアウトプットをマッチングさせることに喜びを感じるようになるからだ。
復習主義は、偏差値55以上には役立つが、偏差値55未満には役に立ちにくい。
小さな成功体験を積み続けることが、小さな自信の積み上げにつながる。
心を鍛えるっていうのは、自分の必要なことを続ける努力をすること(イチロー)
☆「正しい努力の方向性」×「事前の練習量の確保」×「場数を踏むこと」「教わる力」を鍛えた人は、スキル習得だけでなく、「どうやってスキルを習得するか」という方法の確立にこそ、力を注ぐ。
*ゴルフでいうところのレッスンプロの考え方でスイングの改善を一気通貫させるまでに、違うプロに移ってしまってはいけない。あるプロからレッスンを受けるのであれば、彼の考えるレッスンプログラムが終了するまでは、成果が出ようが出まいが、そのプロを変えるべきではない。
「教わる力」を鍛えだけで人は、反復練習の重要性を痛いほどわかっている。
体に馴染ませる=忘れないためのものなので、短時間でも、毎日続ける
☆市場成長期に求められたビジネススキルは、自社の成功パターン、競合企業の成功パターンを確立できれば、それを踏襲することで、それぞれの企業が、成長可能だった。
成熟市場では、自社と競合企業の成長を両立させることはできません。
☆外資系コンサルタントは、ベストプラクティス分析から、クライアントの「信じる道」をら探し出す
複数のベストプラクティスをカスタマイズして、ベストフィットする形で、当てはめていく。クライアントにとってベストの判断軸、クライアントが信頼して頼りにできる判断軸を探し出すために、数百のサンプルのなかから比較し、吟味するのである。
仕事の選り好みをしないことで、判断軸の幅を更に広げることができる。
自分の得意分野とかやりたいことといった視点でプロジェクトを選んでいるのではない。自分の判断軸の幅をら広げる機会になるかどうかという視点で、プロジェクトを選んでいる。
大切なのは、自分の判断軸を鍛えるために、さまざまな判断軸との比較をする経験や機会をできるかぎり持つことなのである。
*小学生が勉強を頑張らないのは、努力と努力の成果を手にできるまでの時間的なギャップが大きくからです。いま努力しても、成果が得られるのは数ヶ月後、あるいは数年後です。
人間を含め、大半の哺乳類は、脳内の奥深い部分にある脳幹と呼ばれる部分から延びるA10神経が興奮すると、やる気が出てきます。そして、これは頑張ればすぐに恩恵が得られます。
自分の「信じる道」は、ベストフィットで目の前に現れるものではない。「信じる道を貫き通し」ながら、自分にベストフィットになるようにカスタマイズしていくものなのである。
☆ユニ・チャームは、トヨタやP&Gのベストプラクティスに「教わり」、今度はベストプラクティスになった。
ユニ・チャームの高原豪久社長は、外資系コンサルタント会社とともに、特に営業部門での改革を行ってきた。そのひとつが、OGISM
Objective 半期でどのような状態を作り上げ、
Goalそのときにどのような結果をもたらすかを明らかにする。
Issueそして、その結果を実現するための課題を明確にし
Strategyその課題解決のための戦略を策定し、
Measurmentその進捗を図るための判断基準を決定して
Action行動する
これは、P&Gの目標管理手法、目標達成手法をベストプラクティスとし、ユニ・チャームに導入したものです。
もうひとつがUTMSS(ユニ・チャーム トータル マネジメント ストラジックシステム)。これは、トヨタ生産方式のなかで改善活動をベストプラクティスとし、ユニ・チャームに導入したものである。
これらがユニ・チャームの自分独自のオリジナルの判断軸となったのである。
Posted by ブクログ
色々な訓練を重ねても、なかなか成果の出ない人に読んで欲しい本。一言で言い表せば、学ぶ方法を決め、軸ができるまで訓練して、能力開発をするのが近道と筆者は説いている。
守破離的な話もなかなか腑に落ちた。
Posted by ブクログ
・自分なりの判断軸を作るため、同じトピックの本を複数読む必要がある。その上で共通点と相違点を明らかにする。
・必要なコンテンツのみ読むため、まえがきと目次を熟読する。必要な箇所のみ読めば良い。
・読書の目的は、判断軸を作ること。
・自分の判断軸に自信を持てるのはゴール後。それまでは他人の判断軸(=他人の成功体験から得られるもの。)を借りることが最短ルート。
・キュレーターの利用を勧める。
・ベストな判断軸を探し出すため、判断軸の比較対象を増やす必要あり。
・信じる道を探す=目的地に到着するため、このやり方なら成功できる、目標を達成出来るという方法を見つけること。
・信じる道を貫き通す=細部まで真似る。
・コピーし、使いこなすことで、オリジナルの判断軸に成長。
・判断軸に従い、必要な情報を取捨選択出来るようになる
→効率的なルートを探し出したら、全力で走りきる、つまり、努力するのだ!