あらすじ
あなたの会社で次のような症状はないでしょうか。
・経営者から次々と新たな事業やサービスの指示が下りてくるが、現場がついてこない
・社員が退職すると、その人の仕事を分かる人が他におらず、現場が混乱する
・社内でトラブルがあっても仕事の全体像を分かる人がおらず、原因究明に時間がかかる
・業務をアウトソーシングしているが、効果が出ているのか分からない
・システム開発プロジェクトがトラブルばかりで、コストがかさむ
これらの症状は一見異なるものに見えますが、たどっていくと共通の原因にたどり着きます。それはビジネスプロセスマネジメントが上手くいっていないということです。
「教科書」という名前の通り、ビジネスプロセス研究の先駆者たちの成果をもとに、ビジネスプロセス、そしてビジネスプロセスマネジメントの全体像を俯瞰し、理解することを目的に書きました。
まず昔からある価値ある考え方をしっかり理解して、当たり前のことを当たり前にできるようになりましょう。
そして、経営者から現場の社員まで皆が一体となって、ビジネスプロセスの変革を進められるようになってほしいと思います。(「はじめに」より)
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Posted by ブクログ
"全体感というか、物事のプロセスを深堀して把握する事の大切さが判る一冊。
過程や期待値、その整合性を確かめていく事で改善点、具体案に繋がっていく。
企業全体でも、事業部単位でも、これはやっておいた方が良い。読んで良かった一冊でした。
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◆どのような企業も、ビジネスプロセスの集合体で出来ている
企業はお客様の期待に沿った製品・サービスを提供し、対価を得る事で存在している
⇒どのビジネスプロセスも、出発点は”お客様の課題・期待”
ex)航空会社
・自分が行きたい場所への就航:路線管理プロセス
・定時で安全に運行して欲しい:旅客運行プロセス
・空港や機内で快適なサービスを受けたい:接客サービスプロセス
それぞれ期待を埋める為のサービスプロセスがあり、個々のKPIも異なる
◆KGIとKPIについて
KGI:目指す最終目標
KPI:KGIを分解した行動指標 必要に応じて改定・見直しをする
ex)市場シェアを3年後までに40%にする(KGI)ためのKPIとして、
年間の新製品投入数、市場での認知度向上、など
◆新たなビジネスプロセスを設計する
プロセス文書
・プロセス俯瞰図:ビジネスプロセスや、KPIの全体像を理解する
・プロセス設計文書:プロセスの細部の構造を明らかにし、変革する
・プロセス実施手順書:プロセス実行時に参照し、改善する
俯瞰図
⇒プロセスマップ、戦略マップ、etc
設計文書
⇒業務フォロー、規定・ルール類、データモデルetc
実施手順書
⇒業務マニュアル、操作マニュアル、早見表etc
素晴らしいビジネスプロセスを設計しても実行されなければ意味が無い
設計者の意図を伝え、プロセスの能力を引き出す要になるのが”実施手順書”
「業務マニュアルは統制のツールではなく、継承のツール」
ex)無印良品のMUJIGRAM
◆特に日本の企業の役職者は”転職経験が無い”人が多く(=8割)、自社の仕事しか知らない
アメリカでは8割が他社の勤務経験が有り、更に3社以上の経験がある人が2/3を占める
このような状況だからこそ、ビジネスプロセスの変革にはBPOが必要
アウトソーシングする事で見えなかった改善点が見えるようになる
…が、現状の問題点として、BPO活用企業の4割以上が”業務評価指標を測定していない”
本当に必要なのは、BPOを活用して”内部に取り込み、管理し、変革していく”こと
ベンダーマネジメントの実態は、ビジネスプロセスマネジメント、ということ
◆これからのリーダー達はビジネスプロセスマネジメントが必要になる
管理職が部門内すべての業務に手を動かし、経験し、理解することは現実的ではない
また、自部門だけではなく他部門の業務も理解する必要がある
なぜコンサルタントは社外の人間なのに、素早く的確なアドバイスが出来るのか
⇒他社でのプロジェクト経験と、ビジネスプロセスマネジメントの手法を身につけているから
◆経営陣に求められる役割
1)ビジネスプロセスの在り方や長期経営計画をしっかりと社内に周知すること
2)ビジネスプロセスの大切さを浸透させ、社員が一体となって変革に取り組める風土を築くこと
3)ビジネスプロセスの状況を常にしっかりと把握し、必要に応じて変革を促すこと
4)改善の取組みが円滑に進むような社内の仕組みを整え、これらの投資の必要性を理解すること"