【感想・ネタバレ】ぱらいそのレビュー

あらすじ

神様に守られた場所にある、
アトリエ「ぱらいそ」で絵画を学ぶ少女たち。戦況が悪化していく中で、厳しい現実に絡め取られないように、それぞれの天国を探し求める。『cocoon』『アノネ、』に続く、少女×戦争×ファンタジーシリーズ三部作完結編。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今日マチ子さんの『ぱらいそ』、読みました。
私が罪を犯すように、世界のひとたちも罪を犯す。そして、世界が罪を抱えていることのように、私は贖罪を抱えるしかないのかな、と思いました。だから、世界も天国も灰色なのかもしれないけど、私たちは濁った身体かもしれないけど、人々に色を重ねて黒に塗りつぶしてしまうことに抗って、人と人との間に白い光を見つけないといけないと思いました。
そして、神様に守られた場所である教会の上に落とされた原爆が最初「白い光」だったことが...そしてそれは人を限りのない黒に塗りつぶして、世界も人も白と黒の混ざった灰色にしてしまう...なんとも言えない気持ちになりました。きっと、それはユーカリが盗んだ「白」と同じように、白い光を見つけることはただ白く塗りつぶすことではないという事なのかなと思いました。「罪をもつこと、それが強さ」というあとがきがそれを強く感じさせました。

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2025年06月04日

Posted by ブクログ

cocoon でもそうだったが、長崎での原爆でこのタッチで残酷シーンを描くのはあんまりだけど、これ反戦漫画何だよねー。

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2023年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

白と黒のコントラストの凄まじさ。

たぶんずっと戦時下の長崎という舞台で描くこともできたはずなのに、原爆投下を境に、あえて「現在と地続き」として描く。
リアリティラインを少しずらすというよりは「浮かせる」。
ここがこの作者の批評性の高さでもあり弱点でもあり、つまりは作家性。
数年おいて読み直して、きっとはじめて落ち着いて評価できるようになるのだろう。

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2018年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

◆戦争中の物語なのに、外の世界の音は聞こえず、脳貧血の発作中の音のない世界の耳鳴り、鼓動しか聴こえないときのよう。胸の内の声だけが響く。◆「良いことも悪いこともぜんぶわたしの中にある」。そして〈戦争〉は、わたしの抱える弱さを「黒」く塗りつぶし決定づけていく。◆奪われた少年少女の右手を思うと心が押しつぶされる。わたしの右手がいつまでもわたし自身の右手でありますように。子どもたちの右手がいつまでも子どもたち自身の右手でありますように。

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2015年08月13日

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