【感想・ネタバレ】数学の大統一に挑むのレビュー

あらすじ

xのn乗 + yのn乗 = zのn乗

上の方程式でnが3以上の自然数の場合、これを満たす解はない。
私はこれについての真に驚くべき証明を知っているが、ここには余白が少なすぎて記せない。

17世紀の学者フェルマーが書き残したこの一見簡単そうな「フェルマーの予想」を証明するために360年にわたって様々な数学者が苦悩した。

360年後にイギリスのワイルズがこれを証明するが、その証明の方法は、谷村・志村予想というまったく別の数学の予想を証明すれば、フェルマーの最終定理を証明することになるというものだった。

私たちのなじみの深いいわゆる方程式や幾何学とはまったく別の数学が数学の世界にはあり、それは、「ブレード群」「調和解析」「ガロア群」「リーマン面」「量子物理学」などそれぞれ別の体系を樹立している。しかし、「モジュラー」という奇妙な数学の一予想を証明することが、「フェルマーの予想」を証明することになるように、異なる数学の間の架け橋を見つけようとする一群の数学者がいた。

それがフランスの数学者によって始められたラングランス・プログラムである。

この本は、80年代から今日まで、このラングランス・プログラムをひっぱってきたロシア生まれの数学者が、その美しい数学の架け橋を、とびきり魅力的な語り口で自分の人生の物語と重ね合わせながら、書いたノンフィクションである。

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Posted by ブクログ

旧ソビエトでのユダヤ人数学者の迫害とラングランス・プログラムの発展が本人の手によって描かれている。著者の波乱万丈の人生は面白いが、肝心の数学部分は途中からさっぱり手に負えないものになってしまった。もう少し基礎から勉強します。

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2020年01月19日

Posted by ブクログ

数学の系統を統一するラングランス・プログラムを牽引してきた数学者の半自伝のような数学本。

全問正解したのにMGUに入学させてもらえない(口頭試問で数時間に渡り拷問に近い質問を繰り返され、入学願いの取り下げを余儀なくされる。)旧ソ連でユダヤ人が受けていた迫害のひとつ。15,6で数学への夢を一度粉々にされた少年がバークレー大の教授になるまでのノンフィクションがひとつの軸。数学の系統を統一するラングランスプログラムと物理学への架け橋がもうひとつの軸。

数1で挫折したわたしには後者はほとんどSFだったけど、「難しいけどがまんして」とか「専門家でもわかっている人は少ないから安心して」など、笑える章題のおかけで最後まで読み終えた。

最終章の「数式はそれ自体として存在し、独自の知能を持つ」「数学者は数式を発明するのではなく発見する」って下りが面白かった。この世界は「物質」「意識」そして「数式」でできているそう。ペンローズの心の影をもっかいよんでみようかな。

フレンケルは三島由紀夫に触発されて「愛と数式の儀式」という映画をとっており、その映画では「愛の数式」を女性の体(その名は「真理」子)に刺青するそう。
うーん、イカれてる。見てみたいけどDVDはないみたい。残念!

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2015年11月09日

Posted by ブクログ

これは久々刺激的な書。
もともと読者には理解的ないことを前提に イメージを伝えることに専念しているのが良かった。
突如として「愛の方程式」の映画の話になるところも おもろい。
いろいろな勉強意欲をそそられる良書でした。

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2015年10月23日

Posted by ブクログ

古くは朝永振一郎の「物理学とは何だろうか」等、第一線の研究者が記した一般向けの学術解説書は数多あるが、物体を対象としない純粋抽象的理論の体系である数学の現在進行中の研究内容をかみ砕いた言葉でわかりやすく説明したものは、そう多くはないだろう。

量子論や超ひも理論といった物理学の理論が、元を質せば数学における成果(のある意味簡略版)であることは余り知られていないと思われる。

純粋理論を突き詰めた数学と宇宙の成り立ちを示す物理学とが同じ理論に行き着くことは、大きな驚異でもあるが、至極納得的でもある。我々が暮らす宇宙は、極めて合理的な存在基盤に立つということだ。加えて、人間の思考が(極く選ばれた人々に限るのかも知れないが)論理的である、ということでもある。

数学と物理学の間、または数学内の分野間での垣根をまたいだ統合作業も興味深いが、著者の自伝ともいうべき内容も本書の大きな魅力である。最終章の「愛の数式」は「?」だが。

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2015年08月27日

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