あらすじ
著者はいう。日本からみた世界はいま、中国とアメリカによって説明されることがほとんどだ。しかしいま、ほんとうに必要なのは日本から世界をどうみるか、という視点ではない。中国が日本や世界をどうみているのか、あるいはその主語を韓国や北朝鮮に入れ替えたとき、彼らが何を考えているのか、である。そうした問題意識のもと、本書は独自情報や現地発の報道を立体的かつ丁寧に組み上げながら、東アジア情勢がどのような力学によって、どちらに動いているのかを明らかにしていく。その視点の基礎を成す要素は「価値観」ではなく、各国の「利害」だ。日中関係はなぜいま改善しているのか、中国が図ろうとしている「脱露入米」とは何か、イギリスはどうしてAIIB(アジアインフラ投資銀行)に参加したのか、日朝交渉が必ず行き詰まるのはどうしてか……その答えが日本メディアの論調とは大きく異なることに、読者の方は驚くことになるだろう。ならば、その新潮流のなかで「価値観外交」を全面に掲げる安倍政権の手法はそこまで効果的なのか。日本外交に対する痛烈な示唆までをも含みながら、中国を知り尽くした気鋭のジャーナリストが描き出す極東コンフィデンシャル。
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Posted by ブクログ
3.11をきっかけに中国にテロ組織にされたウイグル独立派。イスラム国への中国人加入で飛び火。
オバマとサウジ国王に仕掛けられた石油下落による経済窮地のロシア。
ロシアが北極海を支配できると弾道ミサイル到達時間が半分になる。
ロシアのクリミア併合で中国がウクライナからの兵器が入手できなくなった。
アメリカをけん制するために、日本以上に領土の歴史問題を抱えるロシアに近づくのは危険と考え始めている。
その結果、日本との関係改善へ動き始めた。
ないものをあるように見せる北朝鮮外交。
核開発により中国にとって厄介な国に。
南北が統一しないことが中国にとって最大の国益に。
北朝鮮が破綻しても核は残り、人口8000万の国が生まれる。
民意の後押しで剛を見せると国益を害することも。
価値観よりも利害優先。
選択肢が多いほど外交は有利。