【感想・ネタバレ】強欲な羊のレビュー

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ネタバレ

5篇の短編集。
どの話もドロドロと嫌な後味を残すがやめられない。読みながら女達の印象は二転三転する。誰が羊で誰が狼なのか。いや、羊のまま羊を食べてしまったような、、、。
特に胸悪だったのが「ストックホルムの羊」塔に幽閉されている王子と4人の側女の閉ざされた生活は、、、。
それと「背徳の羊」ラストの犯人に驚くが、三人目の子にまた、驚いた。あぁやっぱりそういうことなんだ。

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2024年02月04日

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ネタバレ

イヤミスでもありホラーでもある短編集。どの話もその世界観に入り込め読み応えがある。ラストの短編は直球のホラー展開に少し驚いたが今までの話の怖さが強調されて良かった。

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2023年10月18日

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ネタバレ

強欲な羊
女性の語りで始まる。
姉妹の性格、彼女の見たもの、感じたこと、好きな男性について語る。
本当に欲の強い者は誰か。疑いながら読む。

聞いている人が誰か分かったときに、また彼女の計画性、怖さが出てくる。


背徳の羊
女の行動、計画の怖さ。
篠田が、妻を信じられなくなって疑心暗鬼になる姿。信頼していた人たちの裏切り。

眠れぬ夜の羊
自分は幼馴染みを殺したのかーから始まる。
縞模様の服を着た女性が見えるという女の子、自分の背後にいるという。
幼馴染みが最後に着ていた服だというが、文章のなかに遊具がシマウマだったとはあるが、どんな服を着ていた等、出てこない。
結婚に反対されて、喧嘩をしたという母親がいっこうに出てこないので、幼馴染みではなく母親だなとわかったけれど面白かった。

ストックホルムの羊
タイトル通の話。

生け贄の羊
今までの登場人物何人か出てきて、三人の会話から彼女たちが誰なのか、この先どうなるのか、ドキドキしながら読んだ。

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2023年07月01日

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ネタバレ

強欲な羊、背徳の羊、眠れぬ夜の羊、ストックホルムの羊、生贄の羊の五篇からなる連作集。
表紙のデザインも雰囲気があって良いです。
表題作の「強欲な羊」が一番好みでした。
ミステリーというよりホラー?のような。
大輪の薔薇のように艶やかで希少の激しい麻耶子と桜のように可憐どこか儚げな沙耶子。
姉妹が殺人事件の加害者と被害者になってしまうなんて、この屋敷は本当に呪われているのかもしれないという使用人の女性の語りで始まる物語。
徐々にあれ、これって…もしかして…と気付かされていく過程が楽しめました。

「ストックホルムの羊」の王子の正体を知ってものすごく不快な気持ちになりました。

全体的に少し前に読んだ米澤穂信さんの「儚い羊達の饗宴」と雰囲気が似ていて、面白くて続きが気になり、一気読みしてしまいました。

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2022年11月26日

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ネタバレ

面白かった〜!
内容的に「面白い」と表現するのは少し違う気がしますが、私好みな作品。

全5編の短編集でそれぞれのお話は独立したお話かと思いきや、実は意外な所で繋がっているという演出にも(いい意味で)ゾワゾワして頁を捲る手が止まりませんでした。
どれも、まぁ〜騙されました。
特に「ストックホルムの羊」にはやられました…
世界観が全部ひっくり返ったあの感じは正にどんでん返し!

ただ、幽霊とか超常現象?っぽい描写があったので、リアルな怖さを求める私としては、そこがあんまり好きではなかったかな。

「したたか」って漢字で書くと「強か」と書きますが、字の如く、己の欲望に「強く」執着し、望みや理想を叶えてみせるという「強い」意志を貫いた女が生き残るんだなと思いました。

結局羊子さんの一人勝ちって事ですな〜

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2021年05月23日

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ネタバレ

〇 概要
 「着信アリ!」など,映画のシナリオを「大良美奈子」という名義で書いていた著者の短編集。デビュー作「強欲な羊」など「羊」をタイトルに含む短編が5つ収録された短編集。いずれも,企みと悪意に満ちた「イヤミス」であり,読後に,忘れがたい印象を残す作品がそろっている。

〇 総合評価 ★★★★☆
 全く期待していなかったが,かなり面白かった。全体の肌触りは,米澤穂信の「儚い羊たちの祝宴」に似ている。
 女性作家らしい女性の描き方というか…描かれている女性がリアルに恐怖を感じさせる。
 特に,「背徳の羊」の「羊子」という女性の描かれ方が強烈。恐怖を感じずにはいられない。
 小説巧者でもある。「眠れぬ夜の羊」は,叙述トリックがあると知らずに読み,久しぶりに気持ちよくだまされた。叙述トリックのある作品を,叙述トリックがあると知らずに読むことができるのは幸せだと改めて痛感した。
 「ストックホルムの羊」は,服部まゆみの「この光と闇」に似ている。全体的にオリジナリティに欠ける嫌いはあるが,小説として十分面白い。相当なイヤミスぞろいなので,嫌いな人は嫌いだろうが,個人的には非常に好みの作品だった。
 
〇 メモ
〇 強欲な羊 ★★★☆☆
 大輪の薔薇のように艶やかで,気性の激しい麻耶子が,桜のように可憐でどこか儚げな沙耶子に殺される。物語の語り手は,その家の女中。聞き手は,麻耶子の夫の恭司だが,そのことは終盤まで伏せられている。
 語り手は,沙耶子が麻耶子を殺害するはずがないと言いながら,沙耶子がいかに麻耶子からひどい仕打ちを受けていたか,昔話を語り出す。麻耶子と沙耶子の祖母が,片足が切断された状態で遺体で発見されたこと,沙耶子の家庭教師だった榊が行方不明になったこと,石神という医師が行方不明になったこと,屋敷の旦那が精神を病んでしまったことなどを語る。
 終盤で,語り手は,沙耶子こそが「強欲な羊」だったのではないかと言う。最後には,語り手が正体を現す。語り手は,麻耶子と沙耶子の腹違いの妹であり,語り手が,沙耶子と麻耶子に嫌がらせを行い,麻耶子と沙耶子の祖母を殺害し,榊と石神を殺害し,屋敷の旦那の精神を病ました犯人である「強欲な羊」だった。語り手は,聞き手である恭二を屋敷の座敷牢に閉じ込め,恭二の足を切断していた。最後に,語り手は恭二に言う「ねぇ,恭司様,約束してくださいね。わたくしのことを誰よりも美しく描いてくださるって。麻耶子よりも,沙耶子よりも,綺麗に…。あら,そんなことをお願いしてしまう私って,少しだけ欲張りかしら……?

〇 背徳の羊 ★★★★★
 篠田には双子の子どもがいる。娘の実は父にそっくりで,娘の真は美しい母,羊子にそっくりである。家族ぐるみで親しくしている水嶋家には,夫の和馬と妻の初音と,子供の理がいる。
 理は,真にそっくりだった。篠田は,初音のところに,「ご主人のそばに背徳の羊がいます。」と書かれた手紙が届いたと聞く。初音と篠田は,和馬と羊子が不倫をしているのではないかと疑う。
 調査を進め,羊子がかつて和馬とつきあっていた事実や,羊子の過去の評判などを聞く。篠田は,羊子がだんだんと信じられなくなっていく。また,経営している会社の経営状況が芳しくなく,羊子の紹介で知り合った喜田川弁護士と相談し,忙しい時間を過ごしながら調査を続ける。
 そんな中,初音の子である理が川に落ちる。羊子と初音が一緒にいるときに事故がおきたのだが,篠田は羊子が犯人でないかと疑う。
 篠田の会社の最大の取引相手であるノギハウスが破たんし,篠田は喜田川から破産するように勧められる。篠田は羊子と和馬が不倫をしていたと考え,羊子を殺害しようとする。
 最後に,理を殺害しようとしたのが初音だということが分かる。理は,体外受精により初音が生んだ子であり,卵子を提供したのが羊子だった。初音は,和馬と羊子の関係を疑い,篠田を巻き込みながら破滅していったのだ。
 篠田と羊子は分かれる。最後は,羊子が喜田川と再婚し,幸せそうに過ごすシーンで終わる。
 強烈な印象を残すイヤミス。ミステリ要素は少ないが,世にも奇妙な物語などで映像化したら,かなりの反響になりそうな気がする。傑作レベルの作品

〇 眠れる夜の羊 ★★★★☆
 塔子は須藤文彦と婚約するが,29歳の塔子と10歳以上も年齢が離れていること,須藤が妻子持ちであったこと(すでに離婚をしている。)などが原因で,塔子の両親の反対にあい,結婚には至らなかった。須藤は,塔子の友人だった明穂と結婚する。
 塔子は,須藤と結婚できなかったことから母である静子を恨む。塔子は,明穂を殺害した夢を見る。実際に明穂の遺体が発見され,塔子は夢か現実か,判断がつかなくなる。
 塔子は再婚を考えている丸岡という男の娘である花(4歳)を預かる。花には,幽霊が見えるという。塔子が見ていた幽霊は明穂ではなく,塔子の母の静子だった。塔子は静子を殺害していたのだ。
 明穂を殺害したのは須藤。目撃証言などで,20代くらいの男と描写されていたが,須藤は,塔子より10歳以上年下の男だったのだ。
 須藤文彦の年齢の叙述トリックを巧妙に使った佳作。最後の最後でどんでん返しがある。叙述トリックがある作品は,叙述トリックがあると知らずに読みたいと改めて感じた。久しぶりに気持ちよくだまされた。★4。

〇 ストックホルムの羊 ★★★☆☆
 服部まゆみの「この光と闇」のような作品。「この光と闇」を読む前に読んでいたら,評価が変わったかもしれない。「この光と闇」は,1998年の作品であり,ストックホルムの羊は,「この光と闇」を読んでから作られた可能性もあるが…。
 誘拐犯人が監禁している女性をだましているという設定。読者には中世ヨーロッパの頃の作品だと誤認させる叙述トリックが仕掛けられている。「この光と闇」は,性別誤認トリックまで仕掛けられていたが,この作品はそこまでの展開はない。ただし,監禁されている女性が4人であり,新たに1人加わるという展開である。
 ストックホルムの羊というタイトルは,「ストックホルム症候群」=加害者と被害者が閉鎖された空間で非日常的な体験を長い間共有し続けると,被害者が犯人に共感し,信頼や愛情を感じることがあるという事例をテーマにしているものであり,改めて読み返すと相当なイヤミス。嫌悪感まで感じてしまう。そういった意味では,この光と闇に優る部分もないではないが…この光と闇の完成度には遠く及ばない。★3どまり。相手が悪かった。

〇 生贄の羊 ★★★☆☆
 「強欲な羊」,「背徳の羊」,「眠れぬ夜の羊」,「ストックホルムの羊」の4作品をつなぐという位置付けの作品。
 夜の公衆トイレで,足首に手錠を掛けられ,さびた配管につながれている複数の女性が登場する。
 女性のうちの1人は「あきりん」。これは,「眠れぬ夜の羊」の被害者である須藤明穂である。
 別の1人は,チコと呼ばれている。これは,「背徳の羊」で登場し,かつて水島和馬とつきあっていて,行方不明になったという九鬼千砂子である。
 もう一人は女子高生。この人物が何者かはここでは明かされない。
 いずれも,羊目の女の羊館=「強欲な羊」の舞台となった洋館(今は廃墟になっている。)に忍び込み,羊目の女を呼ぶという都市伝説を実行していた。生贄にすると宣言した人物を殺害しないと,自分が羊目の女の生贄になるという。
 九鬼千砂子は,実際は9年前に死んでいた。須藤明穂も,須藤文彦に殺害され,既に死んでいる。
 女子高生は,麻里亜(ストックホルムの羊の「マリア」)。麻里亜は,大路憲人…身代わりの羊とした人物だ。この人物を殺さないと,自分が生贄になる。
 最後は,麻里亜が「これから行く―」と答えるシーンで終わる。ここから「ストックホルムの羊」につながるのか…。
 全体と通じた趣向を用意したかったのかもしれんないが,やや消化不良。ミステリというよりホラー。個々の作品の登場人物が登場し,別の視点から語られたり,後日談が語られたりするのは悪くないが…もう少し練ってほしかった。★3

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2017年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初読みの作家さん。
5編とも非常に個性的な作品であったが特に『背徳の羊』『眠れぬ夜の羊』は最後の背筋に寒さを感じるイヤミス感たっぷりの作品で印象に残った。
5編がそれぞれ独立した物語であるにも関わらず『生贄の羊』でそれとなく1本の線で結ぶところは巧みさを感じ、何度もページを戻って確認してしまう程であった。
解説に続編のことも書かれていたので是非読んでみようと思う。

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2022年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「強欲な羊」の「わたくし」が腹違いの姉妹だということにはすぐに気付いたが、まさか「わたくし」含め男の趣味が同じだとは。
「わたくし」が実際に手を下したのがどの部分で、どこからが「わたくし」の話を真に受けた姉妹が行ったことなのか。
恐ろしい。
「背徳の羊」も、もやもやしながら読み進みたら、まさかの展開
弁護士の喜多川も何かあると思っていたけど3人目の子供の父親とは。
「眠れぬ夜の羊」文彦さんがまさか年下とは。
「ストックホルムの羊」ストックホルム症候群のお話だった。
中世ヨーロッパだと思っていたら現代の埼玉。
スーツケースの伏線は何となくわかったけど、まさかの結末。
「生贄の羊」なんだか今までの話が全部繋がってるみたいだけど、時系列がよくわからず。
でも怖い感じ。
ーーー
美しい姉妹が暮らすとある屋敷にやってきた「わたくし」が見たのは、対照的な性格の二人の間に起きた陰湿で邪悪な事件の数々。年々エスカレートし、ついには妹が姉を殺害してしまうがーー。その物語を滔々と語る「わたくし」の驚きの真意とは? 圧倒的な筆力で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞した「強欲な羊」に始まる”羊”たちの饗宴。たくらみと悪意に満ちた、五編収録の連作集。

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2017年12月29日

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