【感想・ネタバレ】保育園義務教育化のレビュー

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Posted by ブクログ

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 私たちの思い込みを切り崩してくれる一冊。例えば、「母親だけが子どもを育てるのは日本の伝統でもなんでもない」などは非常にひきつけられた。本書の中心的訴えである、格差が広がる日本では、社会全体の「レベル」をあげるために就学前義務教育が重要という考え方を色々な視点から考えることもできて興味深い。
 社会は変わってきたし、変わっていくし、そして変えられる。
 本当にその通りなんだと思うと素直に思わせてくれる言葉に出会えた。
 あとがき部分は、必読

「知らない」と思い込んでいた世界、「知らなくてもいい」と決め込んでいた世界は、想像よりも楽しくて、そして奇妙で、興味深いものだった。
 数ヶ月前には知らなかったこと。それは、今では、一人でも多くの人に「知って欲しい」と思うことばかりだ。
 「知らない」と思っていた世界は、どんどんと身近なものになった。

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2017年07月09日

Posted by ブクログ

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■総論:
少子高齢化問題について、多角的な目線で書かれている本(いかに深刻かどうかも含めて)。
これから親になる人に対する子育て本というよりは、少子高齢化や国として幼少期の子供に投資することの重要性を日本全体に向けて書かれた本。
・読書時間:3時間程度
・ボリューム:187ページ(文字も大きく行間スペースも広いのでサクッと読めます。)

■こんな人にお勧め:
・保育園に入れるかどうか迷っている人(保育園に通うことの重要性について論理的に記載されています)
・日本の少子高齢化問題に興味がある人

■どういう内容の本なのか(事実・刺さったこと):
・お母さんも人間であるということ
└産後ケアはとても重要/母乳が絶対にいいとは限らない/お母さんも寝てもいい/虐待死の44%が0歳児/三歳児神話の嘘
・人生の成功は6歳まで
└教育費は6歳までに沢山使う/非認知能力の重要性/5歳までの環境が人生を決める/家庭環境で決まる努力できる才能/非認知能力は集団の中でこそ磨かれる
・「母性本能」なんで言葉は医学的にもないし根拠もない
└一昔前は捨て子が当たり前だった/専業主婦は日本の伝統ではなく戦後生まれ


■面白かった点・いまいちだった点(感想):
・良かった点
様々なデータを取り扱って、かつそこまで固い言葉ではない言葉を使ってくださり、大変読みやすかった。
3歳児神話や専業主婦の歴史、母性本能の根拠のなさ等、これから母になる私としては救われる言葉やデータがいくつもあった。
保育園への入園を検討されている方などは是非一度この本を読んでみるといいと思う。

・いまいちだった点
正直いまいちだった点はそんなになかった。
強いて言えば、草食男子が日本を滅ぼすというデマなどが1章丸々使う長さで書かれていたが、私はそんなこと思ってもなかったので、このくらい大きなテーマにされるくらい世の中では気にされている人もいるんだと悲しい気持ちになった。(というか、そんなこと言ってる人いるんだ…と)

■私自身、本の内容をどう解釈し、考えたのか(解釈・自論):
私自身は0歳児から保育園に入れたいと思っているが、その選択が本当に正しいのか少し不安でした。でも、この本を読んで自信を持つことができた。全てを背負ってしまいがちな私の性格だからこそ、時にこの本を読んで立ち返り、自分だって母である前に人間なのだから、時には何かを頼ったり息抜きしたっていいんだ、と思い行動するようにしたい。

■行動目標:
・育児中、辛くなったり、育児と仕事を両立させることに自信がなくなったらこの本を読む。

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2022年07月19日

Posted by ブクログ

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ちょいちょい強引な論理があるけどおおむね同意かな。
専業主婦家庭でも週何回とか気軽に預けられて、子供もいろんな人と触れ合う機会があって…というのが理想。
もちろん働きたい人は全員保育園に入れるのも前提で。

母親の人権ないってのは本当そう…。「取り締まり」ってうまいこと言うよなぁ。もうすぐ子供産まれるけどすごく不安。
「お母さん」として相応しいか、周囲の人が常にジャッジしてくる日本社会、嫌すぎる。

幼児期の質の高い教育は学歴や収入への正の影響が大きいというのは有名な研究だけど、その研究では親への積極的な介入もしてるわけで…。それも要因としてあるんじゃないかな~といつも思う。通わせればいいってもんじゃないんじゃないかなー。

あと「質の高い幼児期の教育」には月齢15か月までは子供3人に1人の保育士が必要ってあったけど、それって現実的に可能なのかな?
子ども3人に対して1人専門職つけるってあまりに社会的コスパ悪くない??
1歳過ぎくらいまでは夫婦で世話する、普通に育休が取れる社会のほうがいいと思いました。

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2022年06月19日

Posted by ブクログ

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・乳幼児期に教育(社会性)をする事が大事
・一般日本人の、赤ちゃんを取り巻く環境の理解が大事


・日本は「お母さん」を人間扱いしない国
旅行に行くと、子供が可哀想。
保育園に預けると、子供がかわいそう。
仕事で残業しまくっても、子供がかわいそう
新幹線で泣き喚く我が子を無視すると、子供がかわいそう
お父さんだったら、そうはならないよね?

・ペリー幼稚園プログラム
アメリカの貧しい地区に生まれた3歳〜4歳の子供を対象に、素晴らしい幼稚園に通わせた58人と入園を許可されなかった65人を比較。
素晴らしい幼稚園に通った子の19歳時点での高校卒業率が高く、27歳での持家率が高く、40歳時点での逮捕率が低かった。
単なるIQの差は8歳頃で無くなるが、「非認知能力」が一生の差となる。

・5歳までのしつけや環境が、人生を決める

・子どもの頃「うそをついてはいけない」「他人に親切にする」「ルールを守る」「勉強をする」という四つのことを教えられた人は、大人になってから、そうでない人と比べて平均年収が約57万円高かった

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2021年06月20日

Posted by ブクログ

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少子化に歯止めをかけるための提案が盛り込まれた一冊。内容はいたってシンプル。母親ひとりへの育児負担の集中、保育所の不足、経済的負担など子どもを産みにくい、育てにくい現在の環境を変えるため、0歳からの義務教育化を行うべき、というもの。良質な幼児教育は意欲の向上や感情の制御、大学進学率の向上、犯罪率の低下などプラス面が多いというデータがその根拠にある。子どもに公費を投入する方が、結果的には生産性の向上や社会保障費の削減などに繋がり、コストパフォーマンスが良いというものだ。
確かにその通りで、今の日本は子ども関連への公的支出が高齢者関連や他国と比較して少ない。その理由が政治家の票に結び付きにくいから、というのも有名な話である。本書で繰り広げられる現状の課題認識や分析については同感できる。
しかし、古市節もあってところどころくすっと笑いたくなるが、内容としては目新しい情報は少ない。待機児童問題の解消策として保育所の増設は早くから言われてきたことだし、保育現場の事故の情報公開や情報共有だけで保育の質が向上するとは思えない。時には物議を醸す発言で知られる著者だけに、他の専門家や政治家が指摘する内容ではなく、もっと振り切った内容が欲しかった。また、「建設業などの『男性』の職業が減少し、福祉分野などの『女性』の職業が増加しているため、女性の社会参加が必要」という論理展開は、ジェンダー的観点からもやや強引な気がした。
個人的には、少子化を止めるためには、ワークシェアリングの導入や公費負担あるいは子育て世帯への支給金額の拡大、子育て世帯を応援する社会的気運の醸成など、社会全体でダイナミックな動きを行う必要があると考えており、本書で提案されている内容はその一側面に過ぎないと言えるだろう。

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2020年04月23日

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