あらすじ
学生時代の失恋がきっかけで、二十歳を過ぎた今も処女の結依は、来日していたアラブの王子・イスハークに突然求婚された。初対面の結依を「運命の大和撫子」と呼ぶイスハーク。彼は、なぜ私を知っているの…? 砂漠の国へ攫われた結依は、昼も夜もないイスハークの強引な求愛を受ける。立場の違いに戸惑う結依だが、彼の濃やかな愛撫に蕩かされ、ついに純潔を捧げてしまって!?
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最後まで飽きさせない
意外な始まりから、強引に求愛してくる王子ですが、だんだん惹かれていく心の動きが良いです。少しサスペンスもあり、この作者の作品をまた読みたくなります。
Posted by ブクログ
以前、あまり好きな作家はいないと言ったことがありますが、ラノベに関してえば、京極れなさんは間違いなく好きな人です。作家買いをあまりしない私か名前を見て、「この人の書いたものならハズレなし」と買います。
今回も期待どおり、最後まで興味深く読ませてくれるお話でた。少し強引な俺様キャラのシークも健気で良識的な日本人の女の子も、キャラの好感度も高かったと思います。
ただ、一つだけ残念なのは、最後のヒロインの出生の秘密が判る下りです。
女の子が母だと信じている女性が実は叔母で、その叔母の姉が王子(シーク)の乳母であり、彼女の実母であったというところまではまだ良いのですが、それから先、その乳母(実母)が王子の父である国王の寵姫であったとか、他の日本人男性と浮気して生んだのが彼女であったとか、、、あまりにも話がややこしすぎ、しかも出来すぎています。
極めつけはシークが女の子に惚れたのは、乳母と女の子の育ての母との手紙を読んで、、というのは、あまりにも都合が良すぎる展開です。
それらの複雑な経緯や関係をラストの数ページで説明口調で語っておしまい、そこら辺りがイマイチかなと私的には感じました。
読んで理解できないことはないけれど、そこまで滑らかに流れてきた話の流れが微妙に止まってしまった感があります。
そこが残念でしたが、全体的にはいつもどおり、面白いお話であったと思います。