あらすじ
『フレームワーク使いこなしブック』の続編。
ビジネスで問題解決のために使われる思考法を1ロジカルシンキング2ラテラルシンキング3クリティカルシンキングの3つに大別し、それぞれの基本とビジネスの現場での使いこなし方法を事例を交えて紹介します。
ストーリーの主人公、むぎ夫やゴマ彦など、親しみやすいたくさんのイラストを交えて、楽しく学べるつくりになっています。
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Posted by ブクログ
「入社3年目くらいまでは先輩から言われた通りに言われたことだけをやっていればいい。」
そんな考え方を許容している組織はよほど人材育成に余裕のあるところぐらいだ。多くの大手企業は3ヶ月から半年で新入社員研修を終わらせ、あとは実戦トレーニング。そこには、1から10まで指導してくれる講師のような先輩がいるとは限らない。むしろ、「XXの資料をまとめておいてほしい」、「XXとの打ち合わせをセットしておくように」といった仕事の概要をざっくりと伝えられて、後は自分で考えなければならない。
入社2年目ともなれば、自分の下に後輩ができるわけで、彼らに対して指導できるくらいの仕事力を付けておくことは普通に要求されるのが昨今の現場だ。人から言われたことだけをやって評価される時期というのは意外に短く、だからこそ、自分で考える力を養う必要がある。
「ロジカルシンキングを勉強しました」
そういって得意げにしている人を見ると、そのロジカルシンキングが仕事でどう役に立っているのか聞いてみたくなる。きっと、論理的に考えることができます、なんて答えが返ってくるだろうが、論理的に物事を考えるだけで仕事は前に進むのだろうか?
残念ながら、答えはNoだ。
たとえば、自社の製品を使っている消費者に感想を聞きたいと考える。どうやって感想を聞いたらいいだろうか。論理的に考えるなら、「これから販売する製品にアンケートはがきを付けて、それを集計する」という答えでも筋は通っている。しかし、これが全然ダメな回答であることは至極明白。なぜなら、消費者がはがきを出すインセンティブがそこにないからだ。消費者側の観点が欠けているから、こんな答えになってしまう。
つまり、考える力を付けるためには、様々な観点から問題を見つめる方法が必要なのだ。
この本では、問題解決をするために考え方にはロジカルシンキングのほかに、ラテラルシンキング、クリティカルシンキングを取り上げており、この3つを合わせてビジネス思考法と呼んでいる。
簡単に言えば、次のような発想で物事を考えよう、ということだ。
●ロジカルシンキング:
「単純な単位に問題を切り分けるにはどうしたらよいだろうか」
●ラテラルシンキング:
「もっとかんたんにできるやり方はないだろうか、似たような事例ではどうやっているのだろうか」
●クリティカルシンキング:
「本質的な問題は何であるか、もっと実践的なやり方はないのか」
いくつか類書に目を通しているが、この3つのシンキングをしっかりとかき分けている本は少なく、あったとしても字面だけの難解なものばかりだった。しかし、この本では、3人のキャラクターがロジカル、ラテラル、クリティカルシンキングを具現化した振る舞いでケーススタディが設定されており、それがとても分かりやすい。
この本の内容を理解するのに、論理的に物事を考えるトレーニングを学生時代にしてきた人ならすんなり理解できるレベルだと思うが、正直なところ、一般的なスキルを持つ日本の社会人なら3年目以降でないと理解が難しいかもしれない。これは、新卒社員の能力を過小評価しているのではなく、実戦の場でこのような問題解決思考を教えることができる先輩社員が不足しているからだ。
とはいえ、多くの企業が求める「自分で考えることができる人材」になるには、こういったことを身につける必要がある。思考法の入門書として手元に置いておいておきたい。
Posted by ブクログ
【書評】3つの思考法を使い分けよ!『ビジネス思考法使いこなしブック』
本書では左脳的思考法について取り扱う。
ロジカル、ラテラル、クリティカルという3種類の左脳的思考法を、
実例形式で学ぶことができる。
ロジカルは「要素を分解する」こと。
ラテラルは「他の分野の方法をもってくる」こと。
クリティカルは「前提が合ってるかを考える」こと。
上記は基本的な考え方で、それぞれに合わせた考え方のフレームワークがある。
特に「認知バイアス」の考え方が興味深い。
「思い込み」ほど思考を止めるものはない。
クリティカルな思考は、思考停止を防ぐことができる。
「当たり前」になっていることだからこそ、
改めて考え直すことができる余地がある。
本書にあるような様々なフレームワークから
自分が普段使わないものを、まず1つ実際に使ってみる。
そうすることで、自分が使っていなかった思考法を意識することができる。
上記を繰り返すことで、使えるフレームワークが増えていき、
自身の考え方のレパートリーを増やすことができる。
本書を読んで感じたことは、
「思考の偏りを意識」することが大事だということだ。
どの考え方も一長一短がある。
大事なのは使い分けることだ。
どの考え方が自分に足りないかを日々意識する。
その上で様々な考え方にトライすることで、
自身の思考を活性化していきたい。