あらすじ
「大日本帝国憲法は西洋の猿まね憲法だ」「天皇主権の帝国憲法が、国民に戦争の塗炭の苦しみを強いた」などの議論が横行している。だが、その理解は本当に正しいのか? 歴史をひもとけば、大日本帝国憲法は、幕末明治の志士・元勲たちが命を懸け、多くの人々が切望し、上下一心となってついに勝ち取ったものであったことが見えてくる。西洋列強の脅威から日本を守るために、たった一人で三千人の敵に立ち向かった高杉晋作。強固な意志を貫きつつ「万機公論」を本気で実行しようとした大久保利通。早くから憲法こそが国家の廃興存亡を決すると見抜いていた木戸孝允。そして彼らの意志を継いで真に日本の歴史に立脚した憲法を制定すべく苦闘を重ねた伊藤博文と井上毅――。大日本帝国憲法こそ、わが国の自主独立を守るための「最強の武器」だったのである。だが、しかし……。日本近代史、諸国の憲法史、さらに国際法と憲法の関係までを視野に入れつつ、帝国憲法の栄光と悲劇をすべて明らかにする意欲作!
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Posted by ブクログ
おそらく100年たっても現憲法は一字一句変えられないだろう。ましてや70年前に戻って、大日本帝国憲法から現状にマッチした新憲法を国民の力で構築し直すことなんて夢のまた夢だろう。
そう考えると本書から読み取れるように、現状で必要な措置を解釈のみで実行していくことが、最も現実的なのかもしれない。
研究者のエビデンスは納得できる良書だと思います。
Posted by ブクログ
憲法とは国でありその歴史であり、戦争そのものである。
江戸末期にあって、日本は不明のまま米国の暴力に屈したわけではなく、世界情勢を分析し、いろんな立場での諍いはあったが、みな、日本国を本気で案じていた。
そうして、日本が荒ぶる世界の中で生き残っていくために発見した歴史、その宣言こそが、大日本帝国憲法であった。
それがまあ、いっぺん戦争に負け、「野蛮人」におしつけられた「憲法」をありがたく押しいただいて早幾星霜。
憲法議論すら俎上に上らせない一部勢力の声にも対抗できず、某東京大学教授の保身に惰性で乗り続けてここに至る。
なんかもう、悲しくなる。
倉山先生の本は、結構目を通しているんだが、毎度目鱗で、全然血肉になってないと感じる。頭悪すぎ。
日本とは何か。
我々が受け継いできたものは何か。
裔へ引き継いでいくものは何か。
そこをきちんと議論、共通認識にしないと、憲法の議論なんかできない。
高杉晋作格好良すぎ。
こないだ、高杉晋作史実とちゃうで本読んだばっかりなので、寧ろお目目キラキラ状態。