あらすじ
「武士の世はイイクニつくろう鎌倉幕府から始まった」「天王山は天下分け目の争奪戦」――。テレビの歴史番組や教科書の影響で、広く私たちのあいだに広まった通説の数々。しかしなかには、いかにも思い込みや思いつきで描かれた俗説が多くまかり通っている。結果論から後づけで説明したり、現代人の視点で推測したり。歴史を動かしたとされる事件や合戦、人物の機略や行動は、じつのところアヤシイものばかりなのだ。あなたの<歴史常識>は、はたして大丈夫か? 本書を読めば歴史の見方、とらえ方がよくわかる。
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Posted by ブクログ
NHKの歴史番組を批評した本。本書にある通りその時を確定するのは難しいと思われる。また前書きにあるように時代に偏りがあるのも分かった。
1つ1つが短いのでザックリ読める。何でもかんでも批判するのではなく新撰組の捉え方を褒めていたりと、公平性はある。
Posted by ブクログ
学生時代に定説と思い込んでた歴史上の出来事、
結構覆った観がありました。
ただ、なんだかちょっと読みにくいのが気になりました。
ん~なんでだろ。
Posted by ブクログ
本書はNHKの人気番組「その時歴史が動いた」を素材として日本史の転換点を取り上げ論じたものである。平将門から旅順二百三高地までを取り上げており、一つあたりが駆け足となってはいるが、歴史を知る手掛かりとなっており面白い。
本書も言う通り、NHKの歴史番組はいい加減な点が少なからずあるので娯楽番組として楽しむくらいがよかろう。(民放はもっとひどいが、視聴率をとるためには、過激な珍説の方がよいのだろうけどね)
Posted by ブクログ
教科書で習った日本史について、「実はそうではなかった」「今の通説はこう」という話題を紹介している本。
「長篠の鉄砲三段撃ちはなかった」とか「桶狭間の戦いは谷間への奇襲ではない」とか、そういった話題を扱った本は数多いし、歴史を取り上げたWEBサイトなどでもよく目にするが、この本の特徴は、NHKの有名番組「その時歴史が動いた」へのツッコミを中心に成り立っているということ。
そのため、たんなる歴史ネタの本としてだけではなく、「あのポイントを『その時』と位置づけるのは適切か」といった視点も含んでいるのが面白い。
歴史好きの人が、通勤電車やお風呂での読書で気楽に読める雑学本を、というときに最適な本かな。
Posted by ブクログ
著者には、一般に歴史常識とされている事柄がいかに根拠が乏しいままに流布されているか、「後ろ向きの予言」(結果から原因や過程を遡って解釈する)が歴史解釈をゆがめているかをテーマとする著作が数多い。
本書は、NHK歴史番組「その時歴史は動いた」の視点を検証するものであるが、番組批判は意図していないと断った上で様々な視点で「その時」に疑問を投げかけている。
テーマが多いために、やや掘り下げ不足の感があるが、在野の歴史家らしく、わかりやすく歴史を視るには複眼が必要であることを教えてくれる。
例えば、平清盛の「六波羅幕府」、源頼朝が実は肉親の情に厚いこと、承久の乱の功労者は大江広元など。
特に関ヶ原の戦いにおける家康、三成比較論にいまだに「結果論者の天下」が横行しているという指摘は我が意を得たりである。
このことが家康の評価を下げることにはならないのである。
ただ、最初の断りにも拘らず「その時歴史は動いた」の揚足取りに過ぎるきらいがあるのが惜しいところである。