【感想・ネタバレ】はだかの太陽〔新訳版〕のレビュー

あらすじ

地球の人類は鋼鉄都市と呼ばれるドームのなかで、人口過密に悩まされながら生きていた。一方、宇宙へ進出し、繁栄を謳歌している人類の子孫、スペーサーたちは各植民惑星に宇宙国家を築き、地球を支配下においている。数カ月前にロボット刑事ダニールとともにスペーサー殺人事件を解決したニューヨーク市警の刑事ベイリは、宇宙国家のひとつ、ソラリアで起きた殺人事件の捜査を命じられたが……『鋼鉄都市』続篇の新訳版

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Posted by ブクログ

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舞台は、人との接触を極度に避け、対面は全てバーチャル映像で行う社会。
極めて人工的に管理されたシェルターの中で暮らし、自然環境からは完全に隔絶されている別の社会(こちらは「鋼鉄都市」に詳しい)から来た人と、実際に同じ部屋の両隅で距離を取り恐る恐る対面することになった登場人物が、
「あなたの肺にあった空気が、わたしの肺に入る」
ことに気づき、気持ちが悪くなり耐えられず逃げ出してしまいます。
3密とかいう言葉も登場し、Webでのコミュニケーション全盛の今の時代から、あと少しかも・・・
どちらの社会もロボットが大活躍。ロボットに仕事を奪われることの人々の嫌悪感、ロボット任せで失われてゆく能力の描写なども、全く絵空事とは思えません。
1957年の作品。
作家の想像力・洞察力、全く凄いものです。

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2020年11月22日

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ネタバレ

ソラリアで起きたデルマー博士の殺害事件を捜査するように依頼されるイライジャ・ベイリー刑事。ダイールとの再会。お互いの直接接触を嫌い映像でコミュニケーションをとるソラリア人。デルマー博士の妻グレディア。現場にいたのはグレディアと機能不全を起こしたロボットのみだった。ソラリアの安全保障局長グルアーの毒殺未遂。デルマー博士と共同研究をしていたリービック博士。人との接触を極度に嫌うリービック博士。デルマー博士とリービック博士が研究していたロボット。

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2015年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『鋼鉄都市』の続編にあたる作品で、前作は地球を舞台にしたものに対して、本作は宇宙国家のひとつであるソラリアを舞台とした話。前作同様に主人公ベイリが殺人事件の犯人の行方を追うが、ソラリアに住む人々は地球人と同じ祖先であるが、さまざまな面で地球と価値観が異なり、ベイリは困惑するところが印象的。また解説にあるように、映像とコミュニティをとる場面は、現在のYouTubeやニコニコ動画を彷彿させる。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鋼鉄都市読後即買ったわ

冬川さんの訳読んだ

も〜楽しい ロボたちの人間守る!感今回強かった

モブロボは主人倒れた時まともに喋れなくなってたけど、ダニールは全然まともで良い 流石最新式ヒューマノイド
でもベイリが倒れかけた時だっけ?に膝ガクついたりため息ついたりしてて良い

ベイリめちゃ頑張ってたけど普通にラスト付近おい!既婚者!!となった

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2022年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。
ロボット工学三原則を使って一種の密室を作り出したミステリー。

それにしても、初めて読んだときには、まさか人と人が接触することを避けるよう求められる時代が来るとは思ってもみなかった。
地球が惑星ソラリアのようにならないことを祈る。

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2020年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鋼鉄都市からベイリは、さらに飛躍。ソラリアに派遣されることとなった。事件の解決は困難が伴ったが、最後は事件そのものは大した問題ではないかのようだ。
見知らぬ地で戸惑いながら、ベイリが強引な操作を進めていく様は面白く、読書の楽しみを得られた気がする。
三作目も近いうちに読みたい。

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2016年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ニューヨーク市で発生した宇宙人惨殺事件を見事解決した刑事イライジャ・ベイリ。乗り馴れない飛行機に乗ってワシントンに呼び出された彼が命じられたのは、宇宙人の国家・惑星ソラリアで起こった前代未聞の殺人事件の捜査だった。徹底した人工統制で一人一人が広大な土地を所有し、多数のロボットに身の回りの世話をさせて生きているソラリアは、生身の人間同士が直接会うことがほとんどない社会。夫婦ですら滅多に会わないこの社会で、殺人など起こるはずはないのだが・・・地球とは全く異なる価値観に戸惑いながら、再開したR・ダニール・オリヴォーと共に捜査を進めるベイリが掴んだ真相とは?

前作「鋼鉄都市」でバディを組んだイライジャ・ベイリとR・ダニール・オリヴォーが再び登場して難事件に立ち向かう、アシモフお得意のSFミステリ。前作同様、「ロボット工学三原則」の縛りの中で、ロボットが絡んだ殺人に対してどのように論理的なおとしまえを付けるのか?が、ポイントの一つです。前作よりも「ロボット工学三原則」が孕む矛盾に一歩踏み込んだ内容になっていて、ミステリとしてもSFとしてもなかなかの出来前。
それに並んで大きなポイントになるのが、実にユニークなソラリア社会の構築ぶりです。徹底して人口を抑制し、あらゆる労働をロボットに任せた結果、人間は皆極端な対人恐怖症に陥り、子を生し育てることが「汚らわしい」とまで認識されてしまう社会。そんな非人間的な(地球人の感覚で、ですが)社会においても人間同士のいざこざや思想対立はやっぱりあって、不穏な動きへと繋がっていく・・・。はじめて宇宙人の社会を目の当たりにしたベイリは、鋼鉄のドームに閉じ込められて暮らす地球人同様に宇宙人社会も既に袋小路に突き当たっていることに気づくのです。そして、どちらも現状を打破しなければ共倒れになりかねない、ということにも。

作品のタイトルにもなっている「はだかの太陽」は、鋼鉄のドームの中から飛び出したベイリが目にする広い世界を象徴する、物語の要所要所にも登場するシンボル的な存在です。その太陽の光に導かれて、事件の解決とその結果だけではなく、地球人類がその後なすべき困難な課題についても直視するようになるベイリ。この作品が単なるミステリではなく、「SFミステリ」の名作として前作とともに長く語り継がれている理由が、このラストシーンの壮大なヴィジョンに端的に現れています。

鴨的には、前作よりもSF的なメッセージを強く感じる作品だと思います。地球人ベイリの価値観の変化が物語の重要なファクターを占めるせいか、R・ダニール・オリヴォーの活躍はかなり控えめ。ほとんどベイリのお守役に徹しています(^_^;その方が、ベイリの無鉄砲さと大胆さを際立たせることができるからでしょうね。

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2015年11月16日

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