あらすじ
本書は、本田技研工業が四輪車製造に進出する前の昭和35年に、本田宗一郎氏が自ら著した初めての作品。日本のこと、政治・経済のこと、技術やレースに対する思いが綴られている。「大衆に向けてどういう製品をつくったらいいかと、アンケートを取ることは参考になる。しかし、大衆が知っていることなのだから、それはもはや新しいデザインではない」と言い切るところに、技術者としてのプライドが見て取れる。本書を通じて浮かび上がる氏の哲学に古さはなく、むしろ今でこそ学ぶところが多い。また、時間を超えて現代に語りかけてくるような文体は、氏の人柄を表わしているようでもある。夢を追い続け、本田技研工業を町工場から世界のホンダに育て上げた男の原点がここにあった!
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Posted by ブクログ
■ホンダ経営
A.人の知恵は、「見たり」「聞いたり」「試したり」の3 つから成る。
その中で、一番大切なのは「試したり」である。
B.全てのことは、人間を忘れては成り立たない。
技術屋にしても、人間を知らないような者は本当の技術屋ではない。
C.1 つの問題も、考え方によって様々な解釈ができる。
大きな失敗をした時は、暗く考えず、“明るい解釈”をすることだ。
そうすれば、次の段階への新たなエネルギーが引き出せる。
D.人間には、独創性と模倣性がある。
独創性は新しい物を創り、模倣性は流行を生む。
作る側は独創性を追わねばならないが、この独創性も、大衆の持っている模倣性からあまり離れすぎては支持を得られない。