あらすじ
「それ行け バッカイ 行け バッカイ」。木ヅタの冠、皮の衣、からだに蛇を巻きつけて、女たちは家を飛び出し山野を疾走する。「小賢しいことは知恵ではない」――陶酔と理性、自然と人智のはざまで、優しく恐ろしい神ディオニューソスと人間の直接対決がはじまる。ギリシャ三大悲劇詩人エウリーピデースの最後の悲劇。
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Posted by ブクログ
ギリシャ神話でのディオニューソスは「狂乱」を司る神である。そしてバッコイと呼ばれる女たちの姿もまさに狂乱である。でもこの物語はただ人々が取り乱す物語ではない。憎悪、執着、復讐心──登場人物を動かす全ての行動原理があまりに激しく歪んだ感情に満ち溢れている。猟奇的で激情的でとてつもなく面白い物語。