あらすじ
ある暑い日、公園で困っていた湊をさりげなく助けてくれたのは、大人の男の人なのに女性用の日傘をさしていることから「日傘の君」としてローカルで有名な外人さん・セスだった。そして、なぜか湊を「日傘」と呼ぶセスと、次第に親しくなっていき……。
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夏休みに祖父の元を身を寄せる高校生「湊」は、男性一人で日傘をさす外国人の「セス」に助けられます。それ以降、「日傘の君」と地域では有名なセスと関りを持つようになる湊。それ以降湊は穏やかで、独特な空気感を持ったセスに惹かれていきますが…
かわいらしい絵柄と穏やかなキャラクターたちの、どこかあたたかい空気が感じられる作品です。緩やかに関係を構築していくセスと湊ですが、2人にはそれぞれ問題があって…。穏やかに過ごす2人の毎日の中に現れる、それぞれの問題にはドキリとさせられます。セスと湊が、お互いの存在によってどうやってその問題を乗り越えていくのか、2人の関係性の変化にも注目です!
BL漫画ではありますが、絵柄がほんわかとかわいらしく、ストーリーもBL要素がライトな作品なので、BL初心者の方にもおすすめです。
感情タグBEST3
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BL???
というくらいほとんどそういう進展はない。なんなら攻めポジだろうセスさんは嫁がいたし、いまだに一途みたいだし。ミナトくんの葛藤も可愛いレベル。これはとっても優しい人のお話だ。セスさんの弟がめっっちゃウケる。
Posted by ブクログ
感受性豊かな主人公と質朴な異人、舞台は日本で主人公も日本人ですが、どこか異邦じみた雰囲気で物語が進みます。
ぽつりぽつりとした主人公の独白や内言にふと通りがかってはその時間を進めていく異邦人、セス。「撹拌されている」と主人公は言う。でも止まっていた時間を進められたのはセスの方も同じで、与えることと与えられることは、もしかして本当にできるのかもしれない。
「やっとその時代が来たんだよ」
この言葉は、一度でも心の時間を止めた経験のある人なら、もしくはまさに今その状態にある人ならきっと響くはず。時間が動く時ってこういう時なのかもしれない、時間が止まっている時って、そう、確かにこんな感じだ、と。些細なことで人の時は止まってしまうし、それを解かすには少しだけ劇的な変化が必要で、そんな隙間に入り込むように始まったBL... というより多分男同士とかそういう葛藤とは無縁の作風、自然に近づいていく二人の心がとても、その癒されあっている様子に、読者である私もとても癒されました。
奥付を見たら4年分の内容で1巻になっているようで、2巻をお目にかかるのはいつになることかと気が遠くなりますが、これからも密かに待ちわびていたいと思います。
表紙もそうですが、全体を通して絵の清涼感、夏の空気がとても気持ちがいいです。