あらすじ
俺の妻になる覚悟はできたか?
由緒ある伯爵家の令嬢フローラは、父の借金が原因で、野蛮な実業家セオドアに嫁ぐことに。だが、彼はフローラの姉との結婚を望んでいた。姉の身代わりであることに悩み、愛されることはないと思っていたフローラだったが、セオドアは余裕の表情で彼女を翻弄し、執拗に抱いてくる。強引で情熱的、それでいて優しい――そんな彼に次第に惹かれていくフローラ。しかし、ある夜をきっかけにセオドアはフローラを抱かなくなって……?
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
伯爵令嬢であるフローラは1つ上の美しい姉フローレンスと何かにつけて比べられる存在。
かつては伯爵家の美貌の姉妹を薔薇にたとえていたのに、フローラはある事件のため、社交界どころか実の両親にさえ、隔てを置かれた存在になってしまった。
その事件というのは、幼いフローラが誘拐され、しばらく後に娼館で発見されたというものだ。
そんなフローラは人並に嫁ぐことも叶わないと、結婚も諦めている。
ところが、ある日、父が賭けに負けた代償に、姉フローレンスを若い実業家に差し出すことにしてしまう。
姉は子爵に嫁ぐのを楽しみにしている身であったため、フローラが姉の代わりに嫁ぐことになり-。
以上があらすじですが、この若い実業家が実は昔、誘拐されたフローラを助けた貧民街の少年でした。
二人の縁はこのときから始まっており、強引に妻にさせられたと思いこんでいたフローラも次第に彼を好きになってゆきます。
読後感もよく、無理な展開もなく、すらすらと最後まで
読めました。
フローラが嫁がされた実業家が実は昔、出逢ったことのある少年だった-、
というのは、フローラの貴婦人としての名誉が傷ついた事件、物語りの進行上の伏線として効果的だと思うのですが、もう少しだけ、他にも話の展開に盛り上がりというか、意外性を添えるエピソードがあっても良いのかなと思い、そこだけが少し物足りないようにも思えました。
Posted by ブクログ
ソーニャっぽくはありませんでしたが、フローラとセオドアのすれ違いとか、二人が結ばれるまでの気持ちの変化とかが楽しめました。
過去に誘拐され、娼館で発見されたフローラは社交界からは遠ざかって暮らしていて、そこに「ローズ」との結婚を望むセオドアからの求婚が。
セオドアはフローラを一途に思っていたのに、伯爵家に「ローズ」が2人いたのがすれ違いの始まり。フローラはセオドアが好きなのは姉だと思い込んでいて、セオドアに気持ちを開けないし、セオドアは自分が思っていたのがフローラなのかフローレンスなのかの確証が持てない。
すれ違いが解消されたときは、フローラよかったねって思えるお話でした。
イラストは鳩屋ユカリさんで、表紙のイラストより挿絵の方がよかったです。