あらすじ
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キリスト教徒が全力で見ないふりしてる、聖書の真実。神は気まぐれに人を惨殺し、キリストはチンピラのリーダー、モーセは十戒の石板を叩き割る──! キリスト教の教典『旧約聖書』『新約聖書』は慈愛にあふれた書物というイメージだが、実際は殺す・すねる・嫉妬する・陥れる・後悔すると、クズエピソードのオンパレード。しかも人間だけでなく、絶対の唯一神ヤハウェも普通にやってます。矛盾と残虐行為の向こうに見える、古代の人々が神話に込めた人間臭さが満ち満ちた“聖書”の真実、ご覧あれ。
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Posted by ブクログ
仁義なきキリスト教史が面白かったのでこちらも。仁義なきがキリスト教をヤクザとして物語る本だったのでこっちはバカダークファンタジーとして脚色すると思ったら、こちらは作者の聖書の要約と解説の本。
それだとどこがバカダークファンタジーとなりそうだが、ヤハウェは万単位で同胞を殺す。良き行いでも命令に反すりゃ家族もろとも殺す、尽くしてくれた相手もよく分からん理由で呪う。本来ここに解釈が入るがここではそういうの抜きで書かれていくままに読む。
さらに矛盾する描写、フワッとした表現、何を指してるのかわからない指示語、強烈な民族主義が加わり、ただ真面目に読むだけでバカダークファンタジーの出来上がりである。
もうなんやこれという話のオンパレードであり、解説してる作者も苦しむ、読者もわけわからず苦しむという一体感は何やコレというのを超えて文に目を引きつける。
その一体感は面白いのだが、ヤハウェを邪神扱いしすぎなのはなんだかなぁと思う。確かに邪神としか思えないのだが、今でも現役で崇められてる神なんでちょっと倫理観が痛む。
あと新約部分になると基本的に使徒たちの悪口を書き連ねる形になり、分からないものを苦しむ一体感がなくなる。旧約の神話感もなくなりバカダークファンタジー部分としても欠けるから正直あんまり面白くない。今のキリスト教の基礎がこんな人たちが作ったのかぁという知的好奇心は刺激されるけど。
バカダークファンタジーというふざけたタイトルで、実際内容もふざけた部分があるが、並べられ大量の参考文献に、複数の翻訳聖書を参照し同じ部分でも翻訳者によって意味の取り方が違いすぎると真面目に書き連ねる真摯さには心を打つものがある。
実際に聖書を手に取ってみたいという気持ちにはさせるし、無料で読める聖書も教えてくれるが、絶対に途中でリタイアするなというのもこの本を読むだけで伝わる。
面白かったけど作者の苦労がしのばれる一冊。
Posted by ブクログ
どっちかというと「男爵ディーノの『聖書』レビュー」みたいな感じでした。
『聖書』を物語として、「ここは面白い」「クソつまらない」とか、発言のロジックを突き詰めて「本当こいつクズだよな」とか言い捨てたり、さながらジャンプ新連載を評価するかのように読み解く。
とは言っても、これまで長く読まれてきたモノであり、そこらへんの歴史や訳による差異もフォロー。その上で「これが一番(物語として)ありそうな内容だよな」と持論に基づき取捨選択。
架神先生の著作は、宗教的なものに対し「神聖で変な魔力を持っていそうだからなんとなく忌避してしまう」といったあたりの思い込みを、卑近な例や実に理論的な考えをもって払拭するのに役立つものが多いですが、本作については「なんでこれが長きに渡り読み継がれてきた物語なんだよwwwwww」といった点でかえって混乱してしまいますな。
タイトルについては作者の意図した所とはちょっと外れた所で決まってしまったようですが、巻末に掲載された抱腹絶倒の「ダークファンタジーデータベース(聖書に登場するキャラクター、アイテム、スキルの一覧)」だけでもタイトルで期待した路線は充分フォローされているかとw