あらすじ
「この坂で転ぶと三年以内に死にます」京都東山・三年坂の言い伝えが現実のものに。樋口が女子校の教師になって二年目の夏、教え子・音葉の母親が自殺する。このとき放った一言、そして5年後の再会により、樋口の人生は音も立てずに崩れていく。男のずるさ、女のこわさ、エゴイズムを描き切り、生と死をあぶり出す衝撃作!
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Posted by ブクログ
一度読んだかもしれないと思いつつ、あっという間に引き込まれ読み終わる。
どろりとしてて、怖い。
京都という設定だからこその、雰囲気。
読み終わったあと、ハツラツとならないことだけは、確か。
Posted by ブクログ
2016年、31冊目は、花房観音女史。
私立女子中学校の新任教師、樋口。彼が副担任を受け持つクラスの生徒の母親が自殺してしまう。夏休みで、正担任は旅行中。彼がその対応をすることとなる。それをきっかけに彼の人生は……。
複数女性の視点から、連作短編的に綴られる作品が多い印象の花房観音女史。一方、今回は(終章を除き)樋口という、プチ・モラトリアム的ダメ男の主人公目線で書かれている。しかし、そこに違和感はほとんどありません。
そして、今作も、京都を舞台に、「女」の「業」や「情」をココでは、「母性」を軸に描いている。それも、かなりの高粘度、高湿度で……。
官能場面もあるにはありますが、分量、描写ともにネットリ感は軽め。
序章のラストは、最後まで読みきった後、もぅ一度読んでみてください。きっと、印象が変わりますから。自分は「 樋口の…… 」(←ネタバレ的になるので伏せておきます)ととらえてます。
Posted by ブクログ
この人は上手いなと改めて思う。
官能モノは読書としては(笑)好みでないから 「寂下の雫」から読んでなかったのだがデビュー前のブログでの作品は歴史あり紀行ありで特に京都を題材としたものは現役バスガイドの本領発揮で実に趣深く楽しめたものだ。
で本作、女を描くことを売りにしているのだからそこが秀逸なのは言うまでもないがそれ以上に鳥辺野、三年坂、幽霊飴など洛東のガイドマップとしても使えるほど京都ネタ満載、ゾッとさせるストーリーと合わせて読みがいのある造り込みには感心した。
せんせぇ…はホテルローヤルを彷彿とさせるのだがたぶん花房さんを読む人は桜木さんも好むはず、怖い女を描くおばさん方であるm(_ _)m