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Posted by ブクログ
20年くらいの積読本。初版は1960年(デビュー作)ってことなので60年も前の作品。丁寧な証拠固めと論理展開は、松本清張『点と線』を連想した(時期的にはおおよそ同じくらいの時代)。第一部の、小説風ではない関係資料のような書き方は、たしかに若干の退屈さを感じるけれど、これがもし主観ありの記述で書かれていたら(たとえば東野圭吾さんを連想)、長くなってしまいそうだなと思う。本作に関しては、適度な長さに収まってよかったと思う。スーツを質屋に出すみたいな発送は、昭和の時代はよくあったのかもしれず、今となっては違和感を感じるけれど、そういう特殊設定ものだと思って読めば、古さが引っ込むことに気がついた。そういう意味ではSFとも似ているのかな。