あらすじ
幼い頃、母親に棄てられた過去をもつ深津九子(きゅうこ)。児童養護施設から通う学校では、担任が寄せる暗い欲望を利用して教師を支配していた。同じクラスの西野も九子の下僕だし、里実からは憧れの対象として崇(あが)められていた。ある日、母親の消息を知るチャンスが巡ってきた。運命は激しく動き出す。あんな母親なんていらない。14歳の誕生日を迎える前に、私は……。戦慄だけでは終わらない、読者の心を震わせる書下し長篇完全犯罪ミステリー!
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Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて…
毒親なら徹底して毒親でありさえすれば
九子の心は救われたかもしれない。
でも、最後にみせた親らしさを知った事で
愛情を感じる事が出来たかもしれない。
いやぁ、難しい所です。
頭の良い子は、自力で色々調べられるんだねぇ。
九子の執念には脱帽、リシンを抽出できた時には
「おおおお」と感嘆の声が出そうだった。
華蓮の九子を支配する感じがたかが4~5歳
違うだけでこんなにも悪女になるものか。と
思ったが、まさかの展開が待っていたし
里実の九子に対する執着、いちばんのヒトコワは
地味で大人しい里実だったとは。
予想もしなかった衝撃のラスト
お見事でした。
Posted by ブクログ
触法少年を題材にした小説をあまり読んだことがないので興味をもって選んだ。
カバーイラスト。
右側が、実行犯で、左側が、影で支える人物、または利用される人物かと思って読み進めていくが途中からそうではなかった、影で支えるだけじゃなく、行動もしていた人物。
彼女のすべてを影のようにずっと追いかけていた。触法少女は、影の方だった。
華蓮が、同じような環境で育ったとはいえ、あまりにも共感しすぎるから、九子の自作自演的、二重人格なのではと思いながら読む。
里実が、九子に話しかけられたりするだけで、目を輝かせたり、落胆する。
10代特有の同姓に憧れるもの、それ以上のなにかか?と推理。近からず遠からずであたっていた。
Posted by ブクログ
なぜ黙秘するのか。
九子がやったという物的証拠は無いんだから誕生日会をして普通に帰ったと言えば良くないか?
黙秘したら自分が犯人だと言ってるようなものでは…。
PCだって普通に使わせてもらえばいいのにあの無駄なやりとりはなんなんだ。
下僕、支配、崇拝というワードから九子はカリスマ性のある冷酷で大人びた印象だったのにあまりにも普通というかなんなら中学生にしては子どもっぽい女の子に成り下がってしまって勿体なかった。
最初の印象のままいけば里実の行動にももう少し説得力が増しただろうに。