【感想・ネタバレ】古代ローマ帝国 1万5000キロの旅のレビュー

あらすじ

ベストセラー『古代ローマ人の24時間』に続く、ローマ帝国全土の旅を再現する待望のタイムスリップ読物。前著の翌日から3年間、人の手から手へと渡る一枚の貨幣が読者を長い旅に誘う。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この本は文句なしにすごく面白かった!トラヤヌス帝時代のローマ帝国にて一枚の硬貨が人の手から手へと渡って「旅行」する様子を小説風に追いながら、当時の風俗や法制度、人々の生活などをつぶさに観察していく。国境の要塞、船旅、首都ローマのにぎわい、国際色豊かな植民市、戦争や戦車競技、産業、商業、奴隷労働、食事、ロマンス…。話題は尽きない。そして何より文章がうまいのだ。スリル満点の戦車レースや戦闘の部分は思わず手に汗握って読みふけってしまったし、男と女の出会いにはどきどきするし、当時の様々なお土産品の解説なんかは想像が膨らんで実際に手に取ってみたくなる。
発掘調査や碑文などの膨大な研究結果をこのような読みやすく面白い文章で、それも600ページ超の大ボリュームで堪能できるのだが、まだまだ足りない、読みたいと思わされる当たりローマ帝国の広大さと文化の豊かさを実感できる。著者の他の本も読んでみようと思う。

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2024年09月10日

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