あらすじ
不朽の「カンバン方式」、これが真髄だ!
ジャスト・イン・タイムが鉄則のトヨタ生産方式を正しく運用すれば、儲かる会社に必ずなる! カンバン方式の生みの親・大野耐一氏の右腕だった父の薫陶を受け、親子2代でトヨタ生産方式の伝道者となった著者でしか書けなかった「秘中の秘」のメソッドを初公開する!
第1章 「常識」を疑い、パラダイムを変えよ
第2章 「タイミング」を売れ!
第3章 顧客ニーズと生産体制のマッチ
第4章 「サラダ理論」で需要予測とオサラバしよう!
第5章 ホワイトカラーという「魔物」
第6章 下請けを巻き込んで効率的なモノ造り
第7章 短納期こそ最大の顧客満足
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Posted by ブクログ
著書は、トヨタ社内で実際に生産方式の指導をしてきたという鈴村尚久氏(1976トヨタ入社→経理、購買、生産調査部等→1999エフ・ビー・エム研究所設立で独立)。鈴村尚久氏の父である鈴村喜久男氏は、トヨタ生産方式の生みの親とされる大野社長の片腕だったらしい方。
感想。
面白かった。世の中に広まっているトヨタ生産方式を網羅的に解説する本とは違う印象。「後補充」「ストアの設置」「短納期・リードタイム縮小」「その上で在庫はあっても良い」辺りがキーメッセージ。
備忘録。
・在庫減らして欠品発生や機会損失発生、在庫を増やしてキャッシュフローの悪化、この2つを行ったり来たり繰り返す、そんな会社が多いのではないか。
・対策として、受注予測&生産計画の精度アップに注力する会社が多い。しかし「当たり続ける需要予測」を作れる会社を著書は知らない。
・根本的な解決策は、「受注、即納品」の体制づくり。
・そのために役立つのがトヨタ生産方式だが、今はトヨタ生産方式を扱うコンサルがたくさんいる。中にはトヨタ生産方式の真髄と異なるアドバイスも、多いのではないか、と。例えば在庫を持たない或いは減らすことが絶対解ではない、という。あとがきのジャーナリストコメントに「これだけ世の中にはトヨタ生産方式が広がっている割に成功企業が少なくない?」に、なるほどと思う。
・鈴村尚久氏が大事にしてるのは、「ストア方式」「後補充」「短納期、リードタイム短縮」。これを突き詰めることだと。
・この実現に5Sやカンバンを使う。
・理想は寿司屋のカウンター。これはイメージが分かりやすい。
・名ばかり特注品の存在は害が多い。
・月次や週次の生産計画はやめる。まとめて生産・運送することが絶対効率的という考え方を捨てる。
・在庫引当ては百害あって一利なし。無責任な営業マンが「とりあえず」在庫確保を指示するケースはよくある。
・ホワイトカラーは会社のシロアリになってることが多い。工場の努力を食い潰してる事例が結構ある。
・営業は電離層。→そこまで悪者にしなくても‥と思うが、大事なのは生産も営業も、一緒になって顧客のために尽くすということか。
・ジャーナリスト発の、トヨタ生産方式より三菱重工の戦闘機生産の方が先行説。