あらすじ
セネカは、二千年前の古代ローマ帝国を生きた思想家です。ストア派の哲学者にして詩人・劇作家でありながら、政治の世界にもかかわって皇帝ネロの教育係を務め、最期はその教え子に自死を命じられるという、波瀾万丈の生涯でした。多くの哲学書簡やエッセイを残しています。本書「人生の短さについて」は時間の大切さがテーマです。人生は短いと嘆く人間は多いが、それは、その人が短くしているからだ、とセネカは言います。無意味なことにかまけていると、人生などあっという間に過ぎ去ってしまう、自分自身と向き合おうともしないで、年老いてから、まっとうな生き方をしようとしても手遅れなのだ、と。多忙なあまり自己を見失っている現代の私たちが、胸に刻むべき警句に溢れています。本書では、現代の日本人がすんなりと読み通せる、それでいて古典の風格を損なわない新訳をめざし、さらに文章を短く区切ることで、読了の負担を減らす編集を施しました。
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Posted by ブクログ
”人生は短くなどありません。与えられた時間の大半を、私たちが無駄遣いしているにすぎないのです。 ”
6ページ目で上記の言葉に出会い、残りのページを読む必要がなくなった。
Posted by ブクログ
「人が生きているうちの大半は、人生じゃなくて、ただの時間、だ」
という、伊坂氏の『死神の精度』に使われていた言葉が気になり読んでみた。
思ったことは、いつの時代も同じ人の愚かしさ。
こんな時代でも現代でも、大して変わりなく
忙しい人は”忙しく”しており、そうでない生活を求めて
温泉宿のパンフレットやロハスなどに憧れたりする。
他人の為に時間を使うことが全て悪いことではないし
そうすることで自分に返ってくることもあり
それが使った時間と対価もしくはそれ以上の価値があることもあろう。
この辺りのことについては同意できなかったが
近頃命の儚さや短さについてつい考えてしまっていたこともあり
興味深い内容だと思った。
歴史上の偉人にはいつでも会いに行ける
というのは、言い得て妙である。
考え方ひとつで人生は変わる、と思えた。