【感想・ネタバレ】西欧近代を問い直す 人間は進歩してきたのかのレビュー

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Posted by ブクログ

西欧近代の民主主義の発展とその課題について、哲学・社会学・宗教・心理学等の著名人の所説をもとに、独創的な見解を主張してあり、ためになります。▼ルソーの考えでは社会契約論において「一般意思」は個人の「特殊意思」や「全体意思」ではなく、すべての人が共通に持つ利害や関心などであり、抽象的で根源的なもの。「一般意思は代表されえない」という。しかし通常は人民の意思はだれかに代表せざるを得ない。一般意思には絶対的な主権性が与えられているため、代表者は一般意思のもとにあらゆることが可能になる。すなわちルソーの根源的民主主義は、それを実現化しようとすると、独裁主義、全体主義に陥る。現にそれをやったのがフランス革命。国民のわがままな意思をそのまま実現することは大変に危険なことである。▼ルソーの民主主義は古典古代的な共和主義思想の復活である。しかし近代市民は古典的市民と違い、「自分の」利益に関心を持つ単なる個人の集まりである。そこで一般意思を仮構するものとして「国民主権」や「国民の意思」が出てくる。「世論」万能の全体主義に傾く。▼一方英人バーグは、「一般意思」「人権」概念を批判、抽象的な人民の権利は存在しないと説く。▼>>>西洋進歩主義の壁:ニヒリズム、自己喪失、神なき宗教社会、独房の中の自由と平等、近代的道徳は弱者の強者に対するルサンチマン、実証主義科学信仰のニヒリズム

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2017年09月28日

Posted by ブクログ

確かなものなき時代のあがき、模索。近代を巡る限界が遺憾無くか描かれている。あらゆるジャンル総動員である。印象的な部分が多く大いに示唆的であった。

・ルソーの論理を突き詰めると独裁主義に行き着く。
・アメリカでは政治的な活動に参加して賞賛を受けることは名誉である。
・バークの偏見の擁護。
・合理的とは活動や人間関係の中に人格的なものを持ち込まないこと。
・誠実さが価値となれば、その背後を覗くかのように本当の私を求める志向が発生する。
・フロム:権威がなくなると人は耐えられないので、外部にいっそう強い態度を求める。

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2015年10月03日

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