あらすじ
書評サイトHONZやベストセラー『面白い本』(岩波新書)で、
HONZ代表・成毛眞氏(元マイクロソフト株式会社社長)が激賞。
2008年に山と溪谷社より刊行された21世紀の奇書、ついに、文庫化!
題字・カバー画はミュージシャンの知久寿焼さん(元「たま」)、
巻末には、HONZ代表・成毛眞さんとHONZ編集長・土屋敦さんの対談を掲載。
口絵や伝説的袋綴じページも再現。
単行本刊行後から現在までを語る、著者の文庫版あとがきも掲載。
文庫化でさらに「糞力」がパワーアップした。
21世紀の奇書誕生!
意識的野糞を始めて35年。
元菌類写真家・伊沢正名氏は、糞土師(ふんどし)として、連続野糞記録3000日、
のべ1万回以上の大記録を樹立した。
一見、奇行とも思えるその行為の背景には、食べることばかり関心をもち、
排泄物には興味を持たない、表層的エコロジーブームへの強烈なアンチテーゼがあった。
雨の日も風の日も、田舎でも都会でも、はては「明日のウンコを今日出す」
秘技をもって長時間の飛行機での移動にも耐え、自分のウンコをすべて土に返す
という信念に殉じ、伊沢は野糞を続ける。
なぜ、著者がライフワークとして野糞を企図するに至ったか?
迫り来る抱腹絶倒の試練。ついにたどりついた世界初!ウンコ掘り返し調査の全貌と、
世界でもっとも本気にウンコとつきあっている男のライフヒストリーを通して、
ポスト・エコロジー時代への強烈な問題提起となる記念碑的奇書を、
より多くの人の手へ。
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Posted by ブクログ
カテゴリ「ウンコ」。万人にとって非常に身近な存在だが、ここまで思想を突き詰め、実践を積み上げた人もいないと思われる。30年以上、一万回以上の野糞。著者の考え方には同意できない部分もあるが、私はここまで突き詰めてないので反論する資格なし。知久寿焼さんの帯文につられて購入したが、想像以上にヘヴィな読書となった。
Posted by ブクログ
実践型ノンフィクション。しかも一冊を通じてひたすら野糞の話。ここまでウンコに強い想いを持ち続けるエネルギーは素晴らしい。
お尻を拭くのも葉っぱであったり、指であったりとエコ思想が徹底している。しかも葉っぱのお尻での感触を真剣に論じている。
さらに、ただ野糞をするだけではなく、それが土に帰っていく過程もつぶさに観察している。しかも最後は味わってしまう。これはさすがに真似出来ない。もはや偉人の領域。
子供の頃に野糞をしたときの爽快感は今でも鮮明に覚えているが、この歳になって実行することは多分ないだろう。
「糞土師」は無理でも「糞土志」ぐらいにはなりたいと思う。
Posted by ブクログ
著者の伊沢さん、のぐそにこだわりその回数を何十年もの間1日も欠かさず手帳に記録、日本中を探してもここまでの本物の”奇人”はなかなかお目にかかれないだろう...。
しかし、(99%以上の日本人が)トイレ1回で大変な水を消費して都市を汚し、せっかくの自然の恵みをどぶに捨てている事実が自然保護的観点で大きな損失であることに疑いの余地はない...。
本を読んだ後、うんこが本当に宝に思えてきて仕方がない。
地球の自然を考えたとき、まさしくのぐそは超合理的行為である。とは言え、この人間社会で日々を生きている中、羞恥心という概念が身についてしまっている自分もいる訳で、さすがに都市でのぐそはハードルが究極に高すぎて、すみません、絶対的に厳しいっす...。
でも、もしポツンと一軒家的な環境で生活することになったら自分もデイリーのぐそを是非実践したいぞ...!
Posted by ブクログ
リアル「うんこ」をここまで研究して、その成果を本にして発表している人は聞いたことが無い。自分の物を実験材料として40年間継続しながら日々研究を進化させているところが素晴らしい。なぜこれ程までに執着しているかは理解不能だが、実験結果をまとめたこの本は一級品だ。