あらすじ
『自由への逃亡』、『岳物語』、『火車』、『新宿鮫』、『いまひとたびの』などなど……。読んで読んで読みまくった16年。名もない本、埋もれた傑作が今よみがえる。ジャンルを超えたおもしろ本を集めた、本を愛するすべての人におくる決定版読書ガイド。「本の雑誌」の名物コーナー「新刊めったくたガイド」をまとめた書評集。
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Posted by ブクログ
たまには古本屋を隅から隅まで眺めるものだ。このような貴重な本と出逢える喜びがたまにある。
『本の雑誌』に連載の北上次郎の人気コラムの大全である。リアルタイムで読んでいた時期もあり、懐かしい。また、こうして、まとめて読むと、如何にこのコラムに頼って、本を選んでいたかに気付く。新人からベテラン作家まで、分け隔てなく、兎に角面白い本を紹介する、このコラムは大好きだな。
Posted by ブクログ
手元には結構前からあったんだけど、今読んだのはやはり、本の雑誌紙面で、氏のガイドを読めなくなった寂しさから。自分が好んで読む年代からすると古いから、積極的に読みたくなった本はあまりなかったのが実際のところ。でも、今や大御所たるあの作家やこの作家の、そのデビュー時から推しているのとかを読むと、改めて凄い選球眼だな、と。で、名を成し次第に大きな存在になった著者については、逆にだんだんと取り上げる機会が減っていくのも、なるほど、と。もう水面下では企画が動いていると信じたいけど、これ以降、もっと言えば2000年代以降のものが読みたいです。
Posted by ブクログ
北上次郎氏のガイドブックは相変わらず純口語体で、何よりもそれが裏腹のなさを示しており、結構好感が持てる。
前回の『余計者文学の系譜』の時よりは『本の雑誌』書評の編集本ということもあり、作品の選択が一般的で愉しめた。
ただやはり書評家としてよりも一読者としての好みが全面に出ているきらいがあり、そこがいやに目に付く(まぁ、それが書評家北上氏の個性とも云えるのだが…)。
また全体的にのめり込んだ本についての書評が長く、1つのコラムのバランスが非常に悪い。これならいっそ1冊に絞り込んで徹底的に評したらいいと思うのだが。
惜しむらくはこの本を読んで触手の伸びる新たな本が見つからなかったこと。
でも自分の関心の高い作品についての感想を読むのはやはり愉しい。