あらすじ
錦戸枇杷。23歳。無職。夜な夜な便所サンダルをひっかけて“泥棒”を捜す日々。奪われたのは、親友からの贈り物。あまりにも綺麗で、完璧で、姫君のような親友、清瀬朝野。泥棒を追ううち、枇杷は朝野の元カレに出会い、気づけばコスプレ趣味のそいつと同棲していた……! 朝野を中心に揺れる、私とお前。これは恋か、あるいは贖罪か。無職女×コスプレ男子の圧倒的恋愛小説。
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Posted by ブクログ
この本は私の人生に影響を与えた10冊の中の1冊です。その時まで親の影響で赤川次郎や東野圭吾、浅田次郎などミステリーやサスペンスしか読んでこなかった私が初めて出会ったいわゆる青春小説、ラノベに近い小説でした。表紙が擦り切れているぐらい何度も何度も読みました。昴と枇杷の掛け合いや関係性、2人ともこころに弱い部分を抱えていて、しかもその弱さは同じ根源からきているもの。それをどう乗り越え、どう生きていくのか。これは罪?と問いかけるラストシーンはもはや爽快でした。恋自体に罪なんてあるわけない。そう思える一冊でした。
Posted by ブクログ
〇いつの間にか亡くなった親友/元カノを追い続ける二人の物語
錦戸枇杷は、親友の清瀬朝野が亡くなったときから、自分を見失って毎日を過ごしていた。そんなときに、女装した男に清瀬の写真を取られてしまった!?なぜ急に、しかもお金じゃなくて写真を。
そして、家にからがら戻った枇杷だったが、家の二世帯改装をするとか何とかで居場所がなくなり、家を追い出されることになってしまう。途方に暮れる枇杷の前にはその女装男が現れるとそこには―――――朝野の元カレだった昴がいた。
親友の死んだ原因、それは昴がフったあとも意固地になって元に戻らなかったからでは。そんな自責の念を抱え続けていた昴は、何とかして彼女の痕跡をつかみたくて写真を強奪したのだった。その行為に、枇杷は異議を唱えるものの、家がない枇杷は昴の家に転がりこむこととなる。
あれ、なんだろうこの感じ。違うんだ、朝野のことを枇杷に謝られても意味がないのだ、というか、枇杷への謝り方はそもそもやっぱり朝野に謝りたいのではないか。
枇杷は、今まで抱えてきた悩みや怒りがすべて、実は本質とは違かったのだと気づく瞬間がやってくる。朝野に対する昴の想いと朝野に対する枇杷の想い。どちらも贖罪であり、もう取り戻せない。それに気づいた枇杷は、どうしようもなくなってしまう。そのときそばにいたのは昴だった・・・!?
家を出されたのに全く困らなかった家族にイラっとしたことや、昴の行動を隣で見ていて、自分のことも客観的に見た枇杷がハッとした瞬間に、枇杷の世界は変わる。その枇杷が起こす行動は、それはそれで男前である。
枇杷は贖罪を果たせたか。昴も贖罪を果たせたのか。
朝野への想い溢れる二人は、最後どうなってしまうか。
圧倒的恋愛小説、という触れ込みだったが圧倒的友情小説でもあるし、自責の念を吐き出しきれない若さが存分にあふれた青春小説だ。
Posted by ブクログ
面白かった!枇杷と昴、枇杷と朝野の掛け合いのテンポ好き。
小説のテーマのひとつが回転なんだけど、ラストまで読むと冒頭のシーンに繋がってまた物語がまわりだすって構成すごい!!
作者の他の作品も読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
派手な要素はないのに、ダメダメな人間しか出てこないのに、
なんだか分からないけれど、
妙に惹かれる。
人に説明しようとするとうまく言葉にできなくてもどかしいけれど、
なぜか、読み終わってもずっと忘れられず胸に残る一冊というのが
年に数回ある。
それは本読みには幸福な出会いであり、
読書の醍醐味と言えるだろう。
僕にとってのそんな一冊がコレ。
まず、センス抜群の表紙のイラストとPopなレイアウトに一目ボレ。
手に取らずにはいられないその表紙の素晴しさよ。
CDならジャケ買い間違いなしだろう。
そして『知らない映画のサントラを聴く』という
吸引力に優れインパクトあるタイトルをひとたび読んでしまえば最後。
いったい中身はどんな話が書かれているんだろうと気になって仕方がない。
(ハートを射抜く小説タイトルに送られるネーミング大賞なるものがあれば、大賞候補筆頭に挙げたいくらいの秀逸なタイトルだと思う)
ストーリーは幼馴染みの親友、清瀬朝野(きよせ・あさの)を亡くした引きこもりニートな23歳の女性、錦戸枇杷(にしきど・びわ)が
朝野の元カレであるセーラー服を着た変態男の昴(すばる)に出会い、
もがき苦しみながら
なんとか再生し自立していく物語。
独特な感性が光る軽妙な文体と突き刺さる巧みな心理描写、
映像喚起力に優れたキャラたちが織り成す
生き生きとした会話劇を武器にテンポ良く描いていく。
冒頭にも書いたようにこの小説、
劇的な展開はないにも関わらず、
全編まるで韓国映画のような
ワケの分からないパワーに満ち溢れていて、
なぜか読んでるうちにどんどん引き込まれていく不思議(笑)
親友の不可解な死を発端に、
立ち止まり回転することを止めた枇杷が
この世の理である『回転力』に気付き、もう一度走り出すシーンは
小難しい理屈なんかぬきに
ストレートに胸を熱くする。
(そうそう、このワケの分からない疾走感にうち震える感覚こそが竹宮作品の特徴であり、小説という表現がもたらしてくれる魔法なのだ)
たとえ目的地から真逆の方角へ
走っていたとしても、
力一杯の逆走ぶりが、
その愚直で不器用なまでの生き方こそが、
結局最後には人の心を打ち、突き動かしていく。
(そう、読む者に魔法を見せてくれる)
思春期のある期間、本当は誰もが中二病だったのだ。
近所のワルガキも先生も、
父や母や政治家もあいつもあいつもみんな。
強くなくてもいい。挫折を繰り返してもいい。
ダメダメな枇杷や昴が主人公だからこそ、同じ苦しみに立ちすくむ多くの読者を救えるのではないのか。
ラノベであっても漫画的であろうとも無問題だ。
わけの分からない物語に救われる気持ち、
なんだか分からないけれど読めば惹かれるその感覚。
それこそが本来の読書の醍醐味ではなかったか。
読むことで、読者がほんの一歩だけでも、前に進んでみようと思えるような、そんな作品なので、
誰かを亡くした人、ニートの人、引きこもりの人、後悔をずっと引き摺ったままの人、
すべての諦めの悪い挑戦者たちへ
強くおすすめしたい。
追記。
僕自身、偶然にも枇杷と同じ23歳の頃、
ボクサー仲間で高校時代からの無二の親友を事故で亡くしているので、
枇杷が苦悩するシーンは本当に切なくて胸が痛くて読み進めるのが大変だったのだけれど、
23歳のあの頃にこの小説があれば
僕にとって永久不変のバイブル本となったのは間違いない。
それでも大人になった今、この作品と巡りあえることができて本当に良かった。
朝顔を美しく咲かせるのは、
朝の光ではなく、夜の闇なのです。
世界はいつでも変わりうる。
そう信じきれた時、すべてのマイナスがプラスへと変わり、
人生は初めて動きだすのです。
ダメダメな先輩を代表して
昔、どこかの校長先生が言っていた言葉を
枇杷と昴に贈ろうと思う。
Posted by ブクログ
朝野がいなくなって2年が過ぎても知らない映画のサントラを聴いて朝野を思い出し切なくなる枇杷を思うと悲しい。でも、朝野と昴からこの美しい世界で生きていくことが幸せとだと気づかせてもらえて。枇杷の花言葉は昴から枇杷への想いなのかな。そうならいいな。辛くても生きていかなくちゃと思うから。その為には、一人じゃなくて誰かが必要だし、その相手が誰でも罪と言わなくていいと思う。
Posted by ブクログ
恋愛諸説かといわれると?ですがエンタメとして面白い!
会話のテンポも、台詞も独特で、それだけでも読む価値が有りですね。
全体としてテンションの高い文章ながら、お互いに、贖罪として惹かれ合っている、寂しさも伝わってくるから不思議です。
最後のタイトルを回収は、意味がわからない気もしますがニュアンスは分かるきもする、そうやって世界と向き合っていくということですか。
Posted by ブクログ
とてもライトな文体で、私は最後まで読み慣れなかったです…。枇杷にとっての朝野は、亡くなってからもずーっと大切な人であり続けていることがすごく伝わってきて、大親友だったんだなと思いました。朝野の元カレ昴も実家を追い出された枇杷のことを家に置いてくれたり、いい奴なんだなと思います。枇杷と昴のやり取りが微笑ましく、ここに朝野がいればどんな感じだったんだろうな、と思いました。
Posted by ブクログ
無職の主人公、錦戸枇杷 23歳、昼間家事&ゴロゴロをしながら、夜な夜な便所サンダルで泥棒を探す日々
アメリカからの帰国子女 主人公の親友 清瀬朝野 行動がただ自由の国アメリカっぽい
コスプレ変態強盗 朝野の元カレ 森田昴 セーラ服のコスプレをしている変態一等賞野郎
アメリカ朝野を中心に知り合った便所サンダルと変態の物語
主人公のツッコミのワードセンスが個人的には好き
Posted by ブクログ
23歳、無職の女性が主人公。名前は枇杷。
親友の死がきっかけで親友の元カレと出会う。
熱烈な恋物語とかじゃないけど、切ない系だけど。
謎が残る物語。
何故親友は死んだのか?
昴(元カレ)が何故枇杷を大事にしたのか?
そのへんがちょっとスッキリしない。
22歳で逝ってしまった親友朝野。
彼女が結びつけた縁。
ほんのりと恋物語が帯びてくる最終章はちょっと慌ただしくもあり。
もうちょっと、昴と朝野の物語が知りたかった。
そして。
昴と枇杷のその後も。