あらすじ
▼第35話/囮(デコイ)♯5▼第36~39話/闇の中の子供♯1~♯4▼第40話/エピローグ▼イラストギャラリー
●主な登場人物/コイル(手練れのPC[プレイヤー]であり、別名・エンジン男。ネット上でカウンセリングを受けている。現在の姿の名はトルク。現実世界での家族とは別居中らしい)、ガウル(「園」の住人。無鉄砲で好戦的。現在の「園」に対し不信と不安を抱く)
●あらすじ/動物園を守る“囮(デコイ)”作戦が進行する中、敵によって連れ去られたガウルを奪還するため、犬猿の仲であるクロエと姉御はひとまず協力を約束する。凄腕の敵2人を相手にしなければならない状況で、彼女たちは互いへの「信用」を貫き通せるのか? 一方ガウルは、クロエと姉御を誘い出す役目が終わったとして、あっさり解放され…(第35話)。
●本巻の特徴/動物園を守る戦いは、それぞれの想いを乗せて激化する…。連載時に描けなかったシーンが大幅加筆され、総ページ240Pとなった渾身の最終巻!!
●その他の登場人物/クロエ(「園」を取り仕切る女性。クランクに用心棒の依頼をした)、クランク(オンラインカウンセリングに関わる謎の男。コイルと組んで「園」に来た) 、イタカ(「園」の中の親役のひとり。射撃の名手で、暗殺集団に所属していた過去あり)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ネットワークゲームでの人間ドラマを描いたこの一作。
濃い。
それはもう煮えたぎったコールタールの様な
身を焼くほど熱く、一度皮膚に着くと皮膚呼吸を許さぬ粘度と濃さで
じわりじわりとその熱と濃さで殺して行き
冷え固まった頃には真っ黒な物体が転がるだけという
そんな作品。
なんか大昔にそういう処刑法あったらしいですね。ああ、野蛮だ事(褒め言葉)
ある日ある場所で家族を殺した17才の少年が居た
彼は家族を殺した後、数日間死体の直ぐ横で永遠ととあるネットワークゲームを続けていた。
彼こそが全ての元凶。
彼はネットワークゲームのゲームマスターもしており
彼の管理するボード(世界)にはそこでゲームを楽しむプレイヤーも数多くいた
殺人を犯したとはいえ、彼はある時期までは熱心にゲームマスターとしての役目を全うしており
平穏な日々が続いていたのだが・・・・・
殺人事件が明るみに出るやいなや、マスター不在のボードには数多くの野次馬プレイヤーが集まり
彼と共にプレイしていたプレイヤーを狩り出そうとする
プレイヤ達は事件直前までそんな彼の正体を知らなかった本当の一般人であり
焼き討ちにより皆バラバラになるのだが
突然のボードのクラッキングによる大変動で野次馬プレイヤは根こそぎロスト(消失)し
地形も大きく変化してしまうが、ボードにはつかの間の休息が訪れる。
そして彼女彼らは立ち上がる。
「マスター不在のこのボードが消えるまでの残り30日間だけは、私たちで私たちの世界を守る」
そこで彼女らはとある噂を聞きつけてこのゲームでのオンラインセラピーを試験的に行っている教授の元へ訪れるのだが・・・・
彼女らはなぜそこまでボードにこだわるのか
「とある噂」とは何か
教授の行うオンラインセラピーとは
総人口数万といわれるこのゲームのプレイヤは尽きることなくボードを襲うが
彼らは何を思い、彼女らを狩り出そうとするのか
そもそも少年は何故犯罪を起こしたのか
もーね
数十人対数百人の戦闘描写とかも物凄く面白いんだけど
この、この、この人間の浅ましさを物凄くいい笑顔で描いているであろう作者が思い浮かぶような
描写が素晴らしい
いやー、いい漫画です
Posted by ブクログ
これが最終巻である事が非常に惜しまれる。
囮(デコイ)作戦第一弾が終盤を迎える。
その中で反目し合っていた盗賊団と動物園の少女・シーマが交わした言葉の交流に、良い意味でのケンカの仕方、お互いを支えあうつっかえ棒になると決めたと語る動物園のジージャ。
その一言一言に感動した。
それと平行し、動物園に纏わる“事件”が語られる。理性的な狂気を持つクランクと、毒のある狂気を持つゴロー。
最悪の場所となってしまった動物園から、絆を見出し、立ち直ろうとする事を決意する。
真相に驚愕する。
仮想の世界で、現実に立ち向かう、生きる人々の物語。
全てが語られる事は無かったが、“オンラインゲーム”“カウンセリング”に関わる問題も定義され、非常に読み応えのあるコミックです。