【感想・ネタバレ】最後の御大将 平重衡 義経が最も恐れた男のレビュー

あらすじ

強大な権勢をふるいながら、やがて急坂を転落するように滅んでいく平家一門。平清盛というカリスマの死がそれに拍車をかけたが、清盛以下が必ずしも無能な「凡将」ぞろいだったわけではない。知勇兼備の逸材も確かにいたのであり、その一人が本作の主人公、清盛五男・平重衡である。平家全盛の時代には、父・清盛の独裁的な政治手法に疑問をいだき、清盛没後は棟梁となった兄・宗盛の器量の狭さに悩みながら、自らはつねに最前線で戦い続けたのが重衡であった。挙兵した以仁王・源頼政を宇治で破ったのは、わずか25歳のとき。その4年後に一ノ谷の合戦で源義経に敗れて捕虜になるまで、滅びゆく一門の運命の奔流のなかで、堂々たる武者ぶりを示したのである。『平家物語』における重衡は、源氏に捕らわれてから斬首されるまでの仏法に帰依する姿が印象的だが、本作では正義感の強い、青年武将らしいさわやかな人間像が提示されている。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

平家、特に重衡贔屓の私にとっては最高の一冊。まさか彼を主役にした小説があるとは思いませんでした。
史実や著者の見解を交えた文章は、歴史物に有りがちな古風な読みにくさを感じさせず、一気に読み終えられました。

0
2011年02月17日

Posted by ブクログ

平清盛の五男、重衡を主人公に据え、敵である源義経との対比をテーマにしている長編です。サブタイトルは多少大げさだとは思いますが‥。ここの重衡は真っ直ぐで、姉徳子への思慕、内裏女房・玉緒との恋、そして父清盛の横暴に心を痛め、その死後は棟梁となった兄宗盛の狭量に頭を悩ませる‥。一の谷で捕虜になったのも、平家のことを思って考えた末のこととしています。
正妻である大納言典待がスルーされていますが‥重衡という人物の生涯を知るには、うってつけの一冊でしょう。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

小説としたら面白いけど…史実と離れている部分がすごく気になる。例えば、一ノ谷で捕えられたのは、和平交渉のためであり意図的なものであったとか。本当は馬を射られたところを、乳母子に逃げられ、自害しそこなったはず。しかも、正室大納言局もいなかったことになっている。なんだかなあ…。話しは面白いんだけど。

0
2010年01月07日

Posted by ブクログ

思ったより良かったかも。この重衡はかなり真面目な、雅より武を好む優しい人。
でも、一門の人たちがあんまり出てこない。徳子・清盛・知盛・宗盛・惟盛くらい?ほかは名前くらいしか出てこない。なんかちょっと重衡、暗い人みたいな…。
知盛かっこよかった。宗盛、残念ながら情けない。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

『平家物語』あたりとはまた違った重衡像、って感じでなかなか読み応えがあります。
やっぱり元凶はお前かこのハゲ狸じじぃ(=後白河院)!とか、たまに思いますが(笑)
ちょっと現代日本にも重なる部分があるかも。

0
2009年10月04日

「学術・語学」ランキング