あらすじ
大反響を呼んだ「クローズアップ現代」「NHKスペシャル」、待望の書籍化
やがて母となる若い女性が不幸な社会に、未来はない
放送後に番組サイトのページビューが通常の約70倍となる大反響を呼んだ、
NHKクローズアップ現代『あしたが見えない~深刻化する“若年女性”の貧困~』(2014年1月放送)、
続編のNHKスペシャル『調査報告 女性たちの貧困~“新たな連鎖”の衝撃~』(2014年4月放送)の書籍化。
働く単身女性の3人に1人が、年収114万円未満といわれる日本。
中でも深刻化しているのは、10代、20代の貧困だ。
本書では、親の世代の貧困が、子の世代へと引き継がれ、特に若い女性に重くのしかかっているという衝撃の現実を丹念に取材。
2年以上もネットカフェで暮らす10代姉妹とその母、
奨学金返済で500万円の借金を背負った四大卒・24歳アルバイト、
家事を担い家計を支え通信制高校から進学を目指す19歳……。
厳しい生活にあえぐ若い女性たちの、決して「他人事ではない」実態とは?
膨大な取材とデータに基づいた、現代の階層化社会に警鐘を鳴らす一冊。
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Posted by ブクログ
今日も3歳の次女の顔にやけどを負わせ、死なせた実母、内縁の夫の事件が起きた。しわ寄せは子どもにくるのだ。ほんと、妊娠させた男や離婚した男が養育費も払わないのは腹が立つ。どうして母親だけが責められるのだ。寮から託児所から備えてる風俗産業があり、公的支援は全く負けているというのが印象的。正直、公が仕事を与えることはできないと思う。つくづく自分は恵まれていると思う。最後のネットカフェに母と19歳、14歳の娘がそれぞれの部屋で暮らしているというのは本当に衝撃的だった。まとまった資金がないことがどんなに不便というか、苦労することか。
Posted by ブクログ
2015年の18冊目です。
「女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃」
これは、NHK クローズアップ現代で、取り上げられてテーマについて、取材した内容をまとめたものです。
以前番組を見たことがあり、改めて読んでみてその記憶が蘇りました。
女性たちの貧困は、パートナーである男性を何らかの理由で失ったことに起因することが多いように思えます。
離婚等によるシングルマザーが、貧困に陥るケースが紹介されていました。
一方で、彼女たちのセーフティーネットが風俗産業という実態も驚きでした。仕事をするために、公的支援を使って子供を預けるためには多くの手続きを経なければできないし、必ずしもうまくいくとは限らないとのことでした。
それに対して、風俗産業(全てではないでしょうが)では、勤める契約と同時に、住む場所の提供と子供を預かってくれることまでしてくれるそうです。貧困を脱するために必要な条件を一度に満たしてくれるということです。
社会保障、社会制度の歪?といっていいのかどうか?
少々、心配な状況です。
女性たちの貧困問題は、かなり心に重く響いてきました。
しかしそれは、この問題の解決の光明が見当たらないということから来ているように思います。
紹介例で、コンビニのアルバイトをしている女性が出てきます。良く利用するコンビニで働いている若い女性もそうなのだろうか?とふと考えると、身近な事として捉えなおせるかもしれない。
私は、自分の職場で働いている若手女性社員が、男性社員と同様に仕事をし、責任を持ち、昇級して、独立して生きていける為の「機会=場」を提供し続けるしかないと改めて思いました。