あらすじ
オバマ、ブッシュ、安倍晋三など、世界を動かす大物の演説を支える「スピーチライター」。日本でも彼らの活動の場は広まりつつある。国際会議出席者や上場企業経営者をサポートしている著者が、その内実を明かす。
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Posted by ブクログ
スピーチライターとはどのような仕事かを知る第一歩として良い本だと思う。文章も読みやすく一気に読めた。前半はスピーチそのものについての考察が書かれている。欧米と日本での違いが面白い。後半に実際のクライアントワークを例として2つ掲載しているので、具体的なイメージが湧きやすかった。単にクライアントが望む原稿を書くというよりも、戦略に入り込むようなイメージだ。様々な分野の造形が深くないとできないだろう。10年ほど前に書かれているので、AIが発達してきている今日、業界のトレンドがどのようになっているのかは興味深い。
Posted by ブクログ
スピーチライターにはコミュニケーション能力が重要。
先日「英国王のスピーチ」を観た。この映画は吃音の英国王がスピーチできるようにする医師(?)と英国王の交流を描いた映画だ。この映画で印象的なのは、医師と英国王の関係ではなく、訓練(コミュニケーション)を通して、「かけがえのない友人」になっていくところだ。この本の中にも、スピーチライターの蔭山さんと新社長に就任する加藤さんの就任演説ができるまでの会話がフィクションで書かれている。スピーチライティングはコミュニケーションを通し、本人が言葉にできない思いを探り、表に生んで行く作業だということがわかる。
誰しも自身のストーリーを持っていると思う。それをはなか
ら話すような内容ではないと切り捨ててしまっていたり、うまく表現できなかったりするだけかもしれない。我々の多くはスピーチライターを雇う余裕はないので、印象に残ったティップスをいくつかメモしておきたい。
・共感を積み上げる。「今日は暑いですね。」→「外を歩くのが億劫になりますね。」→「ビールを飲みたくなりますね。」大多数は今日は暑いと思うが、ビールを飲みたくなるのは少数かもしれない。いきなり「ビールを飲みたくなりますね。」から入ると反感を買う可能性がある。
・知っていたことが、別の見え方をした時に人は感動する。
・共感を積み上げる方向はゴールに対してまっすぐでなければならない。例)亡くなった戦友や大義を通して、兵士を奮い立たせる。
・話のつなぎを自然に。
・リアリティを持たせる。例)「自然が豊かで癒されました。」ではなく、「日本の自然とマレーシアの自然は異なり、荒々しく・・・癒されました。」