あらすじ
廃止寸前のコンビニエンスストアで働く副店長のヒロイン。近所にライバル店ができて、売上が急降下します。廃店の危機が迫る中、マニュアルを徹底して、何とか売上回復を狙いますが、まったく成果が出ません。それどころかどんどんジリ貧になっていきます。そこに現れたのが67歳のアルバイトのオバチャン。動きはのろいし、しょっちゅうトイレに行き、マニュアルも守りません。しきりにお客さんのおせっかいを焼きます。しかし、このオバチャン、お客さんの心をつかむのがうまい。オバチャンが来てから、少しずつ売上が上向き始め……。おせっかいな「コンビ二の女神様」が巻き起こす奇跡に号泣必至。すべての働く人が元気になるビジネス小説です。
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Posted by ブクログ
【内容】
倒産の危機を迎えるエンジェルマート京南大学前店、
そこへ、ふらりと現れた「謎のオバチャン」のアルバイト・・・・
サボってばっかりいるし、動きは遅いし、マニュアルは守らない・・・
でも、あれ・・・・・?
接客や営業にかかわらず、働くすべての人が「元気になる」ストーリー、「ほろっ」として「ジーン」ときて「ほっこり」する、小説感覚でサラッと読める一冊。
【良い点】
・物語としても、ビジネス書としても文句なしに内容が良い。
・物語調のため、ビジネス書だが読みやすい 。イラストも癒し系。
・ソフトカバーのため重くないし、読みやすい。
【悪い点】
・まぁまぁ値段が高い。
【感想】 (※ネタバレ注意)
久々にオール★内定先から人事の人のおススメ本。『「泣きスイッチ」が入って思わず感動(!?)の涙が溢れてしまいました。』ってコメントでしたが、納得。私も泣きました。良い話です。
ビジネス小説は、ベスセラーの「もしドラ」「チーズは何処消えた?」しか読んだことないけど、ストーリーとして比べると、この本が私の中では一番かも。
物語に無理がない。普通に物語として楽しめると思う。下手すれば小学生でも読めるんじゃないかな。 でも、児童用みたく次こうなるんだろうな~って読めない!素晴らしい。
学ぶことの重さ的には「もしドラ」が一番だけど(教えの内容が一貫してるから記憶に残りやすい。気がします。
以下、気になった処抜粋↓
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第一話 おせっかいなオバチャン
「だから、なんで待たなきゃいけないんだよ!もういいよ」
「はいはい。ごめんなさいねぇ~。あなたいつもシャケと昆布のおにぎり買うでしょ。私がここで働くようになってから、もう二か月以上も同じものばっかり。よっぽど、シャケと昆布が好きなんだと思ってねぇ~。さっきも、おにぎりの棚で残念そうにため息ついてたでしょ。もう5分もすれば届くと思うからさぁ~。ちょっとだけ待ってもらえないかなぁ」
●司書講習で、年賀状出すくらいには好意を持ってた先生の「おせっかい」「因みに」って言葉を思い出して、ちょっと笑ってしまった。
利用者の「~本が欲しい」という要望に答える「レファレンス演習」という名前の授業だったんだけど、利用者が聞いてきた事にちょっと「おまけ」をするって「教え」だった。口癖は「因みに」。例えば「るるぶの京都の本が欲しい」という場合にも、他の京都の旅行本を持っていくとかね。
「世界一高い山が知りたい」で「チョモランマ」って答えるのはNG。その知識+の資料の提供こそ、ってゆうオハナシ。春先、道で通りすがった時は挨拶したけど、授業でお話出来なかったからなぁ・・・元気だろうか、S先生。元気だとは思うんだけど。ちょっと懐かしくなりました。
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第二話 「商」の国の人たちの信頼
「境目じゃ。おせっかいと親切の境目がな。だからな、普段からなんでもいいから、相手のためになりそうなことだけを考え続けて、『おせっかいかなぁ』と思ってもやってみる。そのうちにな、なんとなく見えてくるんじゃないかな、その境目が」
●成程。
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第四話
「 普通、宅配便は「業者」と呼ばれている。「業者」だから、「言うことを聞いて当たり前」「無理は聞くもの」ということになっている。もっと悪くいえば、「仕事をさせてやってる」という態度が見え見えなのだ。
ところが、京南大学前店は違った。「業者」扱いしない。人と人の心がフラットなのだ。今、流行の言葉で言うなら、「心のバリアフリー」というところか。けっして、お客様ぶらず、「宅配便を届けてもらってる」という気持ちが態度で伝わってくる」
●こーれは結構、自分がお客になってる時から意識してることで、ちょっとこの話は、そうよね!ってなって嬉しかった。
お客様!ってのは確かに大切にされるべき存在なんだと思う。「お客様は神様」って言葉があるけど、私は「お客様は人間、そして店員さんも人間」って考えてる。「神様」はなんでも出来ちゃう存在だけど、「人間」は出来ないことだっていーっぱいある。
私が普段思うのは、「人間」の関係って、相手を「どれだけ思えるか」、って事なんだってコト。ちょっと意地悪していうと、貴方は仕事も忙しい!と恋人が凄い悩んでる!という時に恋人の元に駆けつけることが出来るかってこと。
ビジネス本なのに例えが悪い?話がズレた?でも、ちょっと待って。貴方の恋人が「仕事が大変なら、無理しないで!大丈夫だから!」って言ってくれたら?貴方は反対に、その恋人に「それだけ思われている」っていう事なんです。
つまり、つまりね。、「人間」の関係って、相手を〝互いに〟「どれだけ思えるか」、って事なんだってコト。お客さんと店員さんの「人間」の関係も、相手を〝互いに〟「どれだけ思えるか」、って事なんだって、思うんです。
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「そうじゃな。売り手よし、買い手よし、世間よし。もう一つ加えて、ライバルよし。ライバルかもしれんがな、そのお客さんに他のコンビニへ行けば変えますよって教えてあげたことで、きっと喜んでくれたじゃろう。ライバルのためではないんじゃ。お客様のためと思えば良い。それで、いいんじゃ。それで。」
●ここでいってることとはちょっと違うけど、ライバルってすごい大切だと思う。だって、ひとりで成長なんか出来ないでしょう?
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~「気づき」のキーワードと解説~
頼まれてから「動く」のではない、
頼まれてからでは「当たり前」になってしまいます。
●成程。
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トイレがキレイな会社は、商品も優れている。社員のモラルや仕事に対するモチベーションも高い。
●これは確かに思う。
キレイなお店で、トイレも綺麗でお洒落だと、余計グッと良い店に見える。
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「ありがとう」は、言えばいいというものではない。感謝の心をどう伝えるかが問題です。その伝え方にはマニュアルもルールもありません。
●ほんとに。言葉って難しい。
風の万里 黎明の空」で陽子が、「真実、相手に感謝し、心から尊敬の念を感じた時には、自然に頭が下がるものだ。礼とは心の中にあるものを表すためののもで、形によっても心を量るためのものではないだろう。」
って言ってるけど、当たり前、な言葉程、本来からかけ離れていくんじゃないかな、とか。
でも、最初はこういう時、こう言うんだよ・・って教育から入ってく訳であってとか・・(学童バイトしてる故)カランコランと頭が鳴るよね。
まぁ、詰るところ、素直に喜べる、悲しめる人間になるって事が、詰り感謝できる、謝れる人間になることなんじゃないかな、とか。
学童でバイトしてると「嬉しい」「楽しかった」って言葉とか、笑顔とかが
「有難う」って言葉より染みる時があるから。
言葉に載せる気持ちじゃなくて、気持ちに載せる言葉を使えるようになりたいです。
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一見、非常識だと思われることにもチャレンジしてみるというスピリットです。