あらすじ
この男、アメリカ人よりポジティブ!
英語がわからなくてもヒーローインタビューに堂々と答え、ハッスルプレーでスタジアムのファンを魅了する。全米一愛される日本人野球選手、ムネリンこと川崎宗則。モットーは「恥ずかしくても前に出る」「失敗を恐れず前に出る」。ホークスで日本一、WBCでは世界一、そして憧れのイチローを追ってメジャーリーグに挑戦。順風満帆の野球人生に見えるが、実は、無名校からプロ入りしたものの実力不足に絶望、スタメン落ち、マイナー降格――と、新しい挑戦のたびに大きな挫折を味わってきた。それでも、苦しいときこそ前に出よう! 野球小僧・川崎宗則の人生論がここにある。
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Posted by ブクログ
野球とベースボールは全然違う、と言う。2006年、2009年と連覇したWBCにおいて、川崎宗則は常に日本の一流選手として日本チームに貢献していた。その彼が、実際にメジャーでプレーしてみて、いけると思った野球の技術はあまりない、というのだから面白い。
メジャーのレベルが高いということだけではなく、種類の違いというのもあるらしい。野球とベースボールは違う。ピッチャーの投げ方、妙なスピンのかかる打球、天然芝の多い球場、ゲッツー潰しでセカンドベースにスライディングしてくる選手への対応…いろんな要素が重なり、素人目線ではTVからだと同じように見えても実際には違うのだ。
川崎宗則は前向きで自信家で、というイメージがあったが、実際にはそうではない。プロ野球の世界に飛び込んだときには、周りのレベルが高すぎて、毎日が恐怖との戦いだったという。キャンプでも頑張れず、不安に勝てない日々だった。
本人曰く、「おれは後ろ向きだぞ」と。前向きにコントロール術を身につけているからこそ、世界で活躍できるのだ。ここまで本音で言って大丈夫というくらい、気持ちをさらけだしている。勇気がわく一冊。メジャーのレギュラー目指してがんばれ!
Posted by ブクログ
元ソフトバンクホークスで活躍したムネリンこと、川崎宗則選手の野球に対するというより、人生に対する取り組み方や向き合い方。
川崎選手は鹿児島県出身で、少年野球チームや中学校の部活、憧れていた鹿児島実業からは推薦の誘いがこなかったことから入学した鹿児島工業野球部、全く意識していなかったドラフト四位で当時ダイエーホークスに指名され、18歳でプロ入り、WBCで子どものころから憧れていたイチローとチームメイトになり、メジャーリーグへの挑戦、マリナーズでメジャーデビューして、ブルージェイズではマイナー契約という野球人生を歩んできているけど、どの時代を見てみても(18歳でプロ入りした一年目を除く)、明るく前向き、チームのためになんてことより、自分が楽しむために野球をやっている!野球小僧という言葉がピッタリな選手だと思う。
一流のプロ野球選手が出した本といえば、何か深い考えがあったり、ありがたい人生訓のようなものがありそうなものだけど、良い意味で軽い!良い意味で薄っぺらい!野球が大好き!!という表層の思いで人生を楽しんでいるように感じられた。
川崎選手すみません!あくまで良い意味で(笑)
そういえば、いつのころからか、ただ単におもしろいからという理由で楽しむことを忘れていたような気がした。
やりたかった仕事をして、ある程度好き勝手にさせてもらって、愛する家族がいて、子どももいつも楽しそうで、自分も健康で、好きな本を読んで、思いを共有できる仲間がいて、何不自由ない生活なのに、「やりたかったこと」がいつの間にか、「やらないといけないこと」になっている気がした。
例えると、野球が好きで野球部に入部したのに、練習に遅れたらいけないとか、素振りをしないといけないとか、やりたかったことを楽しめなくなってしまうと何かさびしい。
川崎選手は、「やりたかったこと」が「やらないといけないこと」になる暇もないくらい、今を楽しんでいる!
そんな彼の生き方そのものが、タイトルにある逆境を笑えという言葉に集約されているんだろうと思った!