あらすじ
人間が“言葉”を生み出した謎に、科学はどこまで迫れるのか?鳥のさえずり、クジラの鳴き声…言葉の原型をもとめて人類以前に遡り、小説家と気鋭の科学者が、言語誕生の瞬間を探る!
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Posted by ブクログ
・無駄な行動が生物学的な強さであり、異性の評価を受ける。発展して美的評価に。独立して芸術に。
・言語の歌起源説。
・歌から言葉へは「一瞬」。
・ミラーニューロン。
・天才は刺激の過剰さ。子孫は残せないが芸術を残す。
・赤ん坊が泣くのは人間が天敵から身を護れるから。
・母と子供の言葉のコールアンドレスポンスによる、相互カテゴリー化仮説。
・言葉は情動を動かせない道具として進化した。
・フェルミのパラドックス……エイリアンが来ないのはなぜか……言語をもってしまうと文明は滅びるから。
・「つながる」こと自体の快感が独り歩きして、空疎なメールなどの言葉。
・統合失調症患者の「死にたい」……言い換えていくと、さびしい、や、つながりたい、に。「死にたい」という魔球。……言葉を解きほぐしていく技術。
・「AならばB」を与えられて「BならばA」と思えるのは人間だけ。ただしそれが「イスラム人はテロリストだ」のようになってしまう。
・ダンスなど儀式を使って、コミュニケーションしたいという意図自体をコミュニケートしている。
・人間の言語システムは書く言葉が生まれるようにはじめからできていた。
・言語・音楽・数学。
・歌の幼児擬態起源説……メスに子供だと勘違いさせることで近づき交尾。
・言語と神……大ボス説と、死の回避説。死の恐怖を受け容れるために物語を必要とする。物語に登場するのは必ず死者。
・哲学的ゾンビ問題。→心の理論。
・言語を持ったことで滅びていく短い時間に、たくさんのものを創造しようとする。
素晴らしい。
上記のような語られた内容がいいのではなくて、語られ方が。
ロマンチックな科学者がいて、適切な聴き手がいて。
ラカンやら岸田秀やらを読んで考えてきたことをこんなに平易に再納得してくれるなんて。