【感想・ネタバレ】道をひらく 内村鑑三のことばのレビュー

あらすじ

近代日本に光を放った
内村鑑三の人間像を読み解く

近代日本の形成に影響を与えた宗教家・内村鑑三は、「無教会」という日本独自のキリスト教受容の道をひらいたが、その生涯は苦難の連続だった。自身の不敬事件と妻かずの死、その後の娘ルツの死は、内村鑑三の一生を変えた。教師・ジャーナリスト・思想家でもある内村の、苦しみの中で掲げた人間の理想、その根底にある信仰の深まりを探求する。

[目次]
第1章 迷いと慰め
第2章 現世と後世
第3章 静かなる細い声
第4章 真理と寛容
第5章 死者との対話
第6章 宇宙完成の祈り
第7章 ホームを求めて
第8章 天然の語るもの
第9章 人間の教育
第10章 大文学論
第11章 『聖書』について
第12章 内村鑑三の面影

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Posted by ブクログ

内村鑑三について知れば知るほど、引き込まれる。
新渡戸稲造と同期だった内村。彼は主席の座を一度も明け渡すことはなかったほどの頭脳の持ち主。

でも、頭脳明晰それだけではない。彼が後世に与えた影響は計り知れなくて、何がそれほどまでに人を引きつけるのだろう。

  三年経し 心の傷は癒えやらで
  花咲く毎に 痛みつるかな

これは内村鑑三が「不敬事件」の後、亡くなった前妻を想って詠んだ歌で、1899年に詠んだもののよう。不敬事件から35年。

厳しくて、でもユーモアがあって、愛の人だったと言われるけれど、同時に、哀しみを知る人だった。そんな人となりと、その信仰を、この本を通して再認識できた。

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2019年08月26日

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