あらすじ
内気で陰気な独身女性・ヴァランシー。心臓の持病で余命1年と診断された日から、後悔しない毎日を送ろうと決意するが……周到な伏線と辛口のユーモアに彩られ、夢見る愛の魔法に包まれた究極のロマンス!
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Posted by ブクログ
物語を読み終え、訳者あとがきを読んだとき「これを読んだとき、私の魂はまさに喜びうちふるえました」とあり、まさに!と思って訳者と語り合いたい気分になりました。本当にロマンス!ロマンスでした!29歳の女性が余命宣告とともに自由を得たのです、それはもう水を得た魚のように!風評は悪いけれど素敵でロマンチックな男に恋をし、結婚を申し込み、島で2人きりの同居生活!誰にも縛られることなく心のまま言葉を出せる、その相手が愛する夫である幸せ。同情でいい、自分を好きにならなくてもいい、それでも好きな人の傍にいたいという小さなわがままを通す主人公を応援せずにはいられません。そして、余命宣告が間違いだったとわかり身を引いた主人公があの嫌な実家に戻ってからの男の熱烈な告白!美人ではないと誰からも揶揄われ、オールド・ミスと独身なことを皮肉られ、家で母の世話だけをさせられてきた主人公が堂々と幸せになる優しいときめく物語でした。末永くお幸せに!
Posted by ブクログ
モンゴメリは、アン以外を初めて読んだ。恋人の小径が出てきて感動した。カナダの話らしい。プリンセスエドワードかな?親族が多すぎて意味わからんくなった。人生って面白いな、私もこんなふうに恋したいなと思える話でした。予感がしたら飛び込みたいと思います。
Posted by ブクログ
追記:ネタバレ設定を忘れていて、不快な思いをした方がいらしたようで失礼いたしました。
現在はネタバレ設定をオンにしております。
モンゴメリ作品は私などのつたない感想程度では正確に表現しきれるものではないし、色あせない物かなと個人的には思います。
赤毛のアンの著者、モンゴメリの古式ゆかしいロマンス小説です。
29歳のオールド・ミスの烙印を押された地味女性が、心臓疾患の余命宣告をされて好きに生きたらぁ!と覚醒、毒母・毒親族から逃走して幸せを掴む話。
序盤のじっとり重苦しい感じでほんとこれ、ハッピーエンドで終わるの?と何度も裏表紙ひっくり返してあらすじ確認しちゃいましたわ。
覚醒するまでが若干長いかも?
髪型一つ、服装一つあんたにはそれがいいわよと言われたが最後、自由にならない息苦しさ。
100年も前のお話なのに、多かれ少なかれ現代人でも共感するところはありそう。親子関係も、親戚づきあいの所とかも。
序盤の結婚しない理由に、○○おじとか○△おじとか□○おじのような男と結婚するくらいなら、オールド・ミスの方がどれだけましかしれやしないってところに全てが込められてる。
まぁでもそれはほんとそう。
これで思い出したのがジブリ映画のハウルのソフィー。
魔改造されて日本人的な長女の老親介護みたいになってるソフィーさん、むしろこっちの主人公のヴァランシーの方がそういうキャラにあってたかも。
あれはほんとねぇ、だいぶキャラが原作と違うので原作派の私は原作も見て~!って映画やるたびに思います(先日テレビでやってた。
あと空想の青い城のシーンなんかは耳をすませば的な感じで映画化されたらめっちゃマッチしそう。
とはいえ映画化したとしても、原作クラッシャーだから原作通りという所は期待できないでしょうけど、ほんといやーな気分にさせられる親戚連中の表現は解像度高くなりそうとか思ったり。
紆余曲折あって、脱出後の生活は比較的穏やかで、その後の結婚後も情景描写が素晴らしくいいのはやっぱり赤毛のアンの作者だなぁって。
赤毛のアンは1冊目が厳しかったけど、段々成長して落ち着きが出てきたら良い感じに読めるようになりましたね。
あのマシンガントーク、身近にいたらちょっと黙っててって言っちゃうわぁ。きつい。
舞台がやっぱりカナダなんだけど、前半の鬱々とした情景と後半の心ときめく描写の差よ!
ベリー摘みは北の方のピクニック的な事の定番だよなぁ。
豪華で逆に自分の方が所有されてしまうような家よりも、愛して自分がかわいがれるような家の方が好きというヴァランシーの意見にも激しく同意するところ。
翻訳者さんは最初持ち込んだ出版社に年齢を19歳にしてもっと短く…なんて言われたらしいけれど、そんなことをしたら魅力が半減以下になったろうなと思う。
ちゃんとヴァランシーがヴァランシーのままで邦訳されて良かったなぁ。