【感想・ネタバレ】ニューヨークで暮らすということのレビュー

あらすじ

ニューヨークといえば、おしゃれでクールな街というイメージがある。しかし一方で、ドラッグや犯罪が横行する街という顔も存在する。そのどちらもニューヨークであるならば、いったい普通のニューヨーカーは何を考え、どのように暮らしているのであろうか。本書では哲学教授が留学体験を通して、ニューヨークに棲息する様々な人々の姿をリアルに描く。人口の4割を占める移民。出身国は167、言語の数は116に及ぶ。様々な価値観の衝突のなかで、コミュニティの棲み分けが進み、次第に人々は定着していく。ニューヨークの繁栄の陰には移民たちの壮絶なサバイバル事情が隠されているのだ。このような多人種社会では倫理など役に立たない。生き延びるには論理で相手の弱点を攻めるしかない。大学の授業もバトルそのもの。教師も生徒も実力主義のシビアな世界なのだ。ガイドブックには描かれていない、ニューヨークという街の本当の姿がよくわかる好著である。

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Posted by ブクログ

ニューヨークは観光で訪れたいと思っている都市。生活するとなると様々人種で構成されている。中流家庭の白人は大半が郊外に住んでいる。マンハッタンは生活費が高すぎるからお金持ちしか住めない。生活費と治安は比例する。夜道や地下鉄は気をつけなければならない。安全なところを把握しておく必要がある。人種のコミュニティは強い。コミュニティの中にいるので英語をまったく話せない人もいる。

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2021年03月05日

Posted by ブクログ

さらっと読んだが面白かった。ニューヨークはエキサイティング!的観光本ばかりで食傷してたのでこの街で暮らすということ、の社会的意味(哲学・社会学のかたです)がリアルに伝わってきてナルホド。アイルランド系、イタリア系、ユダヤ系、ロシア系、韓国系etc、みなお互い「同じ人間」じゃないとどこかで思ってる(!)のでひたすら議論の技術を叩き込む。いかに相手を論破して自分の主張を通すか、大学の講義は壮絶の一言。そういう精神的風土を踏まえて、留学を考えるならまずは母国語で議論を組み立てられるかそして会話に値するだけの教養力があるか、だそうです。たとえば映画「パールハーバー」の感想を求められる。「パールハーバーってナニ?」とか言ってる時点ですでにアウト。ほんとに日本人?

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2010年03月19日

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