あらすじ
孤児のセーラは六年間身を寄せていた付き添い人の家をあとにした。学校は卒業したし、親友は結婚してしまった。雀の涙ほどの後見人からの仕送りをあてに何もない生活を続けてもしかたがないと思ったのだ。そう、家庭教師だったオールコット夫人との再会さえはたせれば、仕事の口ぐらい紹介してもらえるはず。ささやかな希望だけを道連れに、未亡人と偽って乗り込んだ馬車の旅は大雪に阻まれることになってしまった。そのうえ同じ宿屋に避難してきた男性が名乗った名はレイヴンハースト――私をほったらかしてきた後見人の名だ。彼がなぜ今、ここに?六年間一度も顔を見せなかったのに家出されたとなったら連れ戻しに来たというの……?
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Posted by ブクログ
きちんと財産があるのに、後見人の手抜き?のせいで割と貧しい生活をしているヒロイン。そこから脱却するために家出して、自活する知恵と力がある女性。
対するヒーローは責任感のために重い腰を上げ、6年ぶりにヒロインに会おうとするのですが、家出の真っ最中。
とりあえず彼女を追います。
宿屋で二人は出会うのですが、そこが面白い。
先に後見人であることに気づいたヒロインと、後から気付くヒーローの心の動きが良い。
宿屋では窃盗・殺人事件が起こる。事件の描写は軽め(でもおろそかではない)。
ヒーローの祖母とその侍女が良い味を出していて、最後のセリフまで面白い作品でした。