あらすじ
『俺はまだ本気出してないだけ』で40オヤジの悲哀を描いた青野春秋氏の最新作は、アラサー女子と公衆電話の切なすぎる物語。
14年間の引きこもり生活にピリオドを打ち、生まれ変わるために旅に出た“松田夢子 28歳”は、たぶんどこにでもいる女の子だった……。周囲との繋がりを断ち、自分だけの世界で生きることを決めた日までは。その時から、あっという間に14年が過ぎていた。束縛されない、傷つかない、顔色をうかがわない。自分の部屋という温室の中での自由な暮らしは楽しかった。でも、不安という暗闇とはいつも隣り合わせ。だからだろうか、いつの間にか少しだけ薬の力を借りなければ生きられない女の子になっていた。
誰に非難されたわけではない。ひとりきりの生活が寂しかったわけでもない。
ただ、外の空気を吸いたかっただけ。誰かと話をしてみたくなっただけ。
外に出れば何かが変わるかもしれない。
誰かと繋がれば、薬を必要とする私から生まれ変われるかもしれない……。
だから、彼女は旅に出た。小銭と大事な薬を握りしめて。
「大丈夫、きっと私は生まれ変われる。」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
すごく切ない話。後書きではっとさせられた。まだ本気出してないだけ、の人が書いたのかーとなんか感慨深い!?笑
メモ 行動すればなにかが 必ず変わるわけではない でも行動を起こさなければ なにも変わらない
Posted by ブクログ
14年間ひきこもっていた28歳の女性が、小学生時代の同級生を探して会いに行く話。いろんな人に出会ったり、はじめての経験をしたりするが、外に出てどこまで行っても、夢子ちゃんは硬い内向きの女の子。悲壮な感じじゃないのが救い。こういう子、普通によくいるし。